「人間関係が良くなると本音で話し合えなくなる」という不条理をどう防ぐか?

今から70年ほど前に、「電話ボックスへの詰め込み競争」なる競技(?)が流行りました。
文字通り、何人の人間を電話ボックスに詰め込めるかを競うもので、世界最高記録は25人だそうです。
その様子を想像するだけで気持ち悪いですね 笑

秘訣の1つに、「できるだけ人間関係をつくらないこと」があると言います。初対面の場合でも自己紹介などをせずに、いきなり競技に入ることがコツだそうです。
その理由は、苦痛を伴う競技なので、人間関係ができると互いに遠慮し合い、躊躇が生まれるからです。

「人間関係ができると、互いに遠慮が生まれ、痛みが伴うことを躊躇する」

これは企業内でも起きていることではないでしょうか?

「三人よれば文殊の知恵」の逆を「集団浅慮」と言います。英語では「グループシンク」僕は「集団バカ」と名付け、組織にとって最大の「敵」だと考えています。

・飛び抜けることを嫌い本音が言えない村社会
・リーダー、もしくは一部の人が仕切る独裁状態
・話し合いがこんがらがり「早く終わらせたい」というストレスがかかる状態
・話し合いが外部から見えない閉鎖的な会議

こうした状態で「敵」が攻め込んできます。
集団バカの怖いところは、組織にとって重要な問題であればあるほど間違った意思決定をしてしまうことです。
組織には様々な問題が起きますが、それらはいわば「症状」みたいなもので、問題の根っこを辿ると「根本原因」に行き着きます。
人体で言えば、咳、喉の痛み、発熱などの症状の根本原因がインフルエンザという関係です。

組織における根本原因は、風土の問題…集団バカを起こすような風土であることが多いのですが、そこに触れずに、表面的な問題ばかり扱うことが多いのです。
「作業に時間がかかっている」「クレームが多い」といった表面的な問題は言えるが、「本音を言いづらい空気がある」「上司にものが言えない」といった本質的問題は言いづらいものです。

以前に、この「敵」の対策を、とても有効な方法で解決した事例を聞きましたので紹介します。
その方法とは、「無記名で意見が言えるオープンな言論空間をネット上に作った」というシンプルなものです。ネット上で行う理由は、紙に書くと筆跡で書き主が分かってしまうからです。
ネットのシステムに書き込み、書き込みに対しメンバーが「いいね!」が付けられるようにしたのです。
「いいね!」が付いた課題は、会議では出ない本質的なものだったそうです。

失敗した事例もあります。
それは「閉じた空間」で本音を聞き出したケースです。会議の前に、進行役がメンバーと1対1の面談をし「ぶっちゃけ何かない?」とヒアリングをしたのですが、進行役が利害関係にがんじがらめになってしまったのです。

集団バカを防ぐキーワードは2つ…「独立性」と「多様性」にあります。
これらが、みんなが望む良好な人間関係によって破壊されるのだから、組織運営は難しいと思います。

今日の記事をひとことでまとめると「人間関係が良い職場はど、開かれた言論空間をつくる必要がある」ということです。

参考にしていただけたら嬉しいです。

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それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!


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