社長の賛同者2割を「2割しか」ではなく「2割も」と捉えるべきワケ

毎日新聞の世論調査で、岸田政権の支持率が14%と、同紙が内閣支持率調査を開始した1947年以降、最低の結果となりました。
かといって野党の支持率がそんなに上がるわけでもなく、政治は混迷を極めています。

と、今日の記事はこんな話題から始めましたが、別に政治談義をするわけではありません。
いつも内閣支持率は、新内閣発足時には50%以上あり、徐々に下がってくる傾向がありますが、経営における支持率は、最初は低くても大丈夫だという話をしたいと思います。

社長が取り組もうとする新しい企てに、多くの社員は消極的になりがちです。その理由は、変化が怖いからです。「挑戦すればリスクが伴うが、現状維持でもすぐには困らない」となれば消極的になるのは自然なことです。
しかし、それではいずれジリ貧になります。

社長の企てに対し、社員さんは反対をすることなく「上が決めたことだから」と受動的な態度で甘受することがほとんどです。
その様子を見て、社長は「反対者がいない」と勘違いしますが、賛同者もいないというのが現実です。いっそ、反対してもらった方が、議論する機会を作れる分、マシだと思います。

賛同したフリをする人が多いと、その気のない人を動かさなければならず、組織マネジメントは難しくなります。アメとムチの使い分けによるコントロールが必要になり、上司は大変ですし管理のために時間も割かれます。
何よりも、前向きな態度で仕事に取り組まないと、創造的な活動はできません。

このことは、インターネット黎明期において、古くからある企業とスタートアップした企業とを比べると分かります。
あまり知られていませんが、IBMは1996年に電子商店街を開設しています。NTTは1995年に「NTT Directory」という検索サービスを作りましたが、両者とも開花せず、当時に起業したベンチャー企業たちに持っていかれました。
この違いは、上からの命令で受動的に取り組んだ古参と、前向きな態度で参入した新参者の違いだと分析されています。

前向きな態度、自分事の意識ができるには2つの要件が欠かせません。

1、意義
2、参画

意義とは「やるに値する価値」のことで、この構想こそがリーダーの役割です。金銭的なメリット、精神的な充足感など、普遍的かつ時代に合った意義をデザインすることで前向きな気持が生まれます。
リーダーから提示された意義について対話する場を設ける、つまり参画する機会があると企てを自分事にします。

以上は、聞けば当たり前のことですが、これを丁寧にやっている企業は非常に少ないのが現実です。

意義と参画により前向きな気持ちになっても、いきなり行動を起こす人は少数です。
真っ先に行動する人と、ずっと後になって行動する人がいるのです。

1、意義を聞いただけで行動するイノベーター
2、イノベーターに一歩遅れて行動する人たち
3、みんなが愉しそうにやっているのを見て加わる人たち
4、損得勘定が済んでから行動する人たち
5、最後まで行動しない人たち

1→4に伝播していくのが集団ムーブメントの特性です。2まで伝播すると、その後はスムーズに広がっていく傾向があります。
ちなみに、統計的には1と2合わせて16%ほど、つまり岸田内閣の支持率よりも少し多いくらいでOKなのです。

このメカニズムを知っていると、賛同者が少なくても気を病まずに済みますし、今いる段階が分かるので対応ができるようになるというわけです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。


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