なぜ優れた組織ほど肩書で呼び合わないのか。

僕の娘の会社では「サンシャイン運動」なるものを推進しています。
サンシャインとは「さん社員」…つまり、社員を「さん」づけで呼ぶ運動で、社長を含む全員が対象になっているようです。
その意図は、フラットで闊達な文化をつくるためだと言います。

拙著「賃金が上がる!指示ゼロ経営」で事例紹介した、株式会社ザカモア(西村拓朗社長)では、社長を含む全員が「トニー」「リリー」などイングリッシュネームを持っています。西村社長がトップダウン経営を廃止すると決めた際、最初に取り組んだことですが、上限関係の束縛から解放される効果があったと言います。

儒教の影響を残す日本では上下関係を重んじ、年長者に従うことを美徳とします。
会津藩の「什の掟」には、「年長者の言うことには背いてはなりませぬ」という項があり、「ならぬことはならぬものです」と締めています。
問答無用で年長者に従えということですが、これを現代で言ったら老害と言われるでしょう。

賢い組織を作りたければ、年長者(役職者)を敬いつつも、言うべきことは言う文化が欠かせません。
なぜならば、正解のない時代では、過去の経験が役立たなくなるため、常に現在進行系の意志決定が求められるからです。

ちなみに、航空機事故の調査統計によると、航空事故は、副操縦士よりも機長が操縦している時の方が事故発生率が高いそうす。
パイロットの世界は、非常に上下関係の規律が厳しく、機長の判断の誤りに対し副操縦士が物申すことができないからです。

また、南カリフォルニア大学は、過去50年分にわたる、エベレスト登山隊、3万人以上のデータを集め、登山隊の出身国と遭難事故の発生率について調査しました。
その結果、権力に依存する風土が強い国のチームの方が事故発生率が高いことが分かりました。
「上の言うことに無条件に従う」という文化では、刻一刻と変化する状況に対応できないということです。

年長者を敬いつつ、自由闊達な文化づくりは、これからの経営にとって生命線と言えるでしょう。

肩書で呼ばない「サンシャイン運動」は、フラットな関係性を潜在意識に刷り込む効果があるのかもしれませんね。

同じく、言葉の選択も関係性に影響します。
例えば…「大したもんだ」「よくやった」「偉いぞ」「良い出来だ」…こうした言葉は上が下に使う言葉です。これらを部下から上司に言ったら、ぶん殴られますよね 笑。

対し、「すごい」「嬉しい」「ありがとう」といった、気持ちを表す言葉はどうでしょう。
上司が部下に言っても、部下が上司に言っても違和感がないと思います。

肩書で呼ぶか? 名前で呼ぶか? 評価する言葉を使うか? 感情を伝える言葉を使うか?
日々、何気なく交わされる呼び方や言葉の積み重ねによって、静かに文化が形づくられていきます。
自由闊達な組織を作りたければ、まずはリーダーから、日常の言葉から見直してみてはいかがでしょうか。
 
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