経営者が罹る「まだまだ病」というビジネス疾患に対する治療薬を開発したい

経営者が罹るビジネス病に「まだまだ病」があります。
罹患すると、自分の理想と現状を比較して、足りない部分を見て、「まだまだ」と言ってばかりになります。

図解で説明します。
縦軸は、部下やチームの成長度合い、横軸は時間軸です。成長曲線は時間とともにカーブが急になっていきます。

図解中の②は、一定期間に社員が成長した伸び幅です。②を見ることができるリーダーは、メンバーが成長したことに感謝でき、日々を幸せな気持で過ごすことができます。メンバーもイキイキ、すくすくと育っていきます。

「まだまだ病」に罹ったリーダーは、①しか見れなくなります。足りない部分ばかりに目が行き、ストレスを抱えることになります。
メンバーを責める人もいますし、「自分が不甲斐ない」と反省する人もいます。反省する人の中には、「反省した姿を見せれば部下は罪悪感を感じるだろう」と、計算ずくで演じる人もいるから厄介です。

いずれにせよ、「まだまだ病」に罹ったリーダーのもとで人も組織も育たないのは自明です。

ちなみに、リーダーが①を見て「まだまだ」と言うと、メンバーは「こんなにも成長した」と反発します。
リーダーが②を見て「こんなにも」と言うと、メンバーは「まだまだですよ」と言います。
人間関係の作用・反作用は不思議だと思います。

僕は、これまで①と②、両方のリーダーを見てきました。
②のリーダーの話を聞いた時に、「この会社はよく人が育つんだな」と感心しました。①のリーダーの話を聞いた時に、「教育の仕組みが足りないのでは?」と思いました。
しかし、比べてみると、どちらも、同じような教育をしているし、メンバーの成長度合いも同じなのです。

両者の違いは何でしょうか?

「目的」の違いだと考えます。

企業の目的は経営理念に表現されます。どの会社も経営理念には、人の発展と幸せが書かれます。
顧客、地域社会、働く人、取引先…関わる人の発展と幸せです。
目的を真に思っている人は、②はその体現ですから喜べるわけです。

一昨年、引退を間近に控えた経営者と話をしました。その方は、ずっと①を見て経営をしてきたと言います。
しかし、引退カウントダウンの状態に入り、気持が変わったと言います。

ぽつりと「社員は幸せだったかな?」と言いました。

僕は、その言葉を聞き、この社長の最大の功績は、自身がこの心境になったことではないかと思ったのです。
この思いを次世代に引き継げば、会社はまったく新しい成長フェーズに入ると思ったのです。

それにしても、なぜ、引退間近で心境が変わったのでしょうか?
そこに、人の精神的な成長のヒントがあるように思います。

というわけで、今日一日、②を見てみてはいかがでしょうか?

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