「こいつはダメだ」とレッテルを貼る前に、違う役割を期待してみたらどうか?

以前に、お世話になっている経営者が「ウチは芸能プロダクションのような経営が合っている」と仰っていて、すごく共感しました。
色んな才能、能力に応じて、活躍できる場、活躍の仕方をつくり出すという考え方です。

その会社は、非常に個性的な社員さんが多く、画一的な管理が向かないという気付きから生まれた発想ですが、僕は、これからの時代の組織運営の標準になると感じました。

最近、若い方を中心に、出世を望まない人が増えていると言います。
苦労が多い割に見返りが少ない。プレイングマネージャーは大変。プライベートの時間が減る。
色んな理由があるようです。

「苦労と引き換えに報酬を得る」という動機づけが通用しなくってきています。

出世競争を考えただけで疲れるという人もいます。
出世できる人は限られますので、ピラミッド型の組織は、必ず「詰まる」という宿命にあります。


僕の先輩は、大手メーカーに勤めていますが、50歳になった時に、「肩たたき」に遭いいました。
退職すれば退職金を上乗せする。居続ければ賃金が減るという選択を迫られたのです。
転職しても、居続けた場合より好条件の会社に入れる可能性が低いと思い、不本意ながら居続ける決断をしました。

その会社の組織運営は、生き残った強者が、組織を牽引するというやり方なのだと思いました。
牽引される側は、内発的なモチベーションがありませんので、上の人がアメとムチの使い分けでコントロールします。

このやり方を中小企業でやったら、あっという間に組織が壊れるのは必至です。

だから、冒頭の、「才能、能力に応じて、活躍できる場、活躍の仕方をつくり出す」という考え方が有効だと考えるのです。
場というのは「部署」のことだけではありません。

組織には色んな役割があります。
例えば、「新しいものを生み出す」「生み出されたものを上手に運営する」…イノベーションとオペレーションの役割があります。
前者は、誰が見ても、いわゆる「仕事がデキる人」で、上司から高く評価されます。
一見すると、その人たちが組織を動かしているように見えますが、真実は、縁の下の力持ちが、スムーズな組織運営に貢献しています。

メンバーみんなが経営に参画できているかチェックして参画を促したり、人間関係の円滑化をしたり、ストレスを緩和したりといった「メンテナンス」の役割を担ってくれています。

人は、自分と同じタイプを過大に評価する傾向があるので、リーダーの好みから外れた人が正しく評価されないことが多く起きています。
特に、リーダーはイノベーション対応が多いから、それ以外の多数派が評価されないのです。

組織運営には様々な役者がいることを知れば、「こいつはダメだ」とレッテルを貼るようなマネジメントはなくなります。
その人に合った役割をやってもらえば良いのです。
その人に、どんな役割が向いているかは、経験を積まないと分からないので、「やってみて変える」という方法が一番だと思います。

賃金は、役割の難易度によって変わりますから、賃金が下がることはあるでしょう。
しかし、それは役割の問題であって、本人を否定するわけではありません。

そんな組織運営をした結果、全体の業績が上がり、全員の賃金が上がった会社を、僕は何社も知っています。

役割を知れば、あなたが知らないだけで、とても活躍している人がいることに気づくと思いますよ!

というわけで今日も素敵な1日を。

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