中小企業が「過去の経験」を活用して人手不足を解消する方法

ようやくコロナ禍が一段落して、これからだ!という時に、今度は人手不足で経営が立ち行かない企業が増えています。

日本商工会議所が2023年4月に実施した「最低賃金および中小企業の 賃金・雇用に関する調査」によると、64.3%が人手不足であると回答しました。
調査では、人手不足の対策を問う項目もあり、最も多かったのが、募集賃金(求人広告に書く初任給)の賃上げです。
です。
しかし、募集賃金を上げたら、既存社員の賃上げもしなければならず、経営が苦しくなります。

東京商工リサーチの調査によると、2023年1-7月の人手不足関連倒産は83件でした。
前年同期比、なんと159.3%増です。
内訳は、「求人難」が35件(前年同期20件)、「人件費高騰」が29件(同ゼロ)、「従業員退職」が19件(同12件)で、「人件費高騰」が突出しています。

経営体力がない中小企業にとっては死活問題です。

僕は、23年間、不人気業種の代表とも言える新聞販売店を経営してきましたが、中小企業の人手不足対策の王道は、「出」…離職を減らすという結論に至っています。

出を減らさないと、ザルで水をすくうようなものです。

後で書きますが、出を少なくすると「入り」…採用力が上がります。

出を少なくするためには、社員が「この会社で働き続けたい」と思えるような、将来にわたる魅力…ビジョンを描くことが欠かせません。
それがないと、ヤル気の高いビジョナリーな人材ほど辞めていってしまいます。

厚生労働省の調査「転職者実態調査の概況」の2023年版によると、転職者が前職を辞めた理由の、男性の回答のトップは「会社の将来に不安を感じたから」でした。ビジョンのない会社に危機感を覚えた人がドロップアウトしていることがうかがえます。

しかし、人は、まだ起きていない未来(ビジョン)をイメージするのが苦手です。
だから、「地域一番店」といったリアリティのないビジョン(というかスローガン)が多いのだと思います。

僕は、ビジョンは全く新しいものである必要はないと考えています。
過去に体験した嬉しいことを思い出して、そのような体験を増やすことをビジョンにしても良いと考えています。

僕の友人に、完全アレルギー対応のパン屋さんを経営する社長がいます。
息子さんに思いアレルギーがあったことが起業のキッカケでした。
2015年のある朝、朝起きてスマホを開くと、前日に来店されたお客様からLINEが届いていました。
見ると、感謝の言葉とともに、その方の息子さんが、本当に嬉しそうにパンを食べる動画が添付されていたのです。
嬉しそうなのはお子さんだけではなく、むしろ両親でした。
姿は映ってはいませんでしたが、「◯◯くん、どう?美味しい?」という声が入っていました。

友人は、「親子でこんな思いができるなら、これからも頑張ろう」と思ったそうです。

ビジョンとは、こういうもので良いのです。
お客様との出来事でなくとても、社内で起きたことでも構いません。

「こんな瞬間をもっと作りたい」という思えるエピソードを思い出し、ビジョンに昇華するのです。

ビジョンは、まずは社内で共有します。リーダーの思いが本物であれば、この会社で働き続けたいという動機づけになります。

そして、それを、そのまま採用の求人メッセージで伝えるのです。
「こんな瞬間を、一緒に作ってくれる仲間を探しています」と。

きっと、その思いに共感して来てくれる人は、同志と呼べるような人で、ちょっとやそっとでは辞めないヤル気を持っているはずです。

これが、経営体力がない中小企業の現実的な人手不足対策です。

出を減らすことから始めるましょう!

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