「みんなの脳と体験」を借りるマネジメント

僕は、子供の頃、目玉焼きには醤油をかけていました。それが我が家の常識でした。
それが崩れたのは妻と結婚した時です。
なんと、目の前で塩をかけて食べ始めたのです。
「う、嘘だろ?塩かよ…」と驚いたのですが、試してみると想像以上に美味しくてビックリしたのを覚えています。

僕の、目玉焼きの世界が広がったのです。
が、その後、さらに衝撃を受ける出来事に遭遇します。
民宿に泊まった時に、朝食会場で隣に座ったオッサンが、ソースをかけて食べていたのです。

人は長く生きると、「こういうもんだ」が出来上がります。
目玉焼きには醤油をかけるもんだと。
こういう人たちを「もんだ族」と言うそうです(笑)

以前、大手流通のトップが、メディアで「店長は仕事ばかりしているから、外の世界に触れずに化石化する」という事を言っていました。
狭い世界に閉じこもり「もんだ族」になってしまうということです。

2011年に、僕は未来工業株式会社に視察に行き、創業者の山田昭男氏(故人)の話を聞きました。

「夜9時や10まで働いて、家に帰ったらメシ食って風呂入ってバタンQ、なんていうのは家畜の生活だ。創造性は人間らしい生活から生まれるから、早く家に帰って家族と過ごしたり趣味に没頭したほうが良い」

職場という閉ざされた世界にばかりいると、もんだ族になってしまいます。

色んな世界を体験した方が良いのですが、身体は一つだし時間も限られています。

だから、マネージャー、リーダーは、「みんなの脳と体験」を借りるマネジメント…「参画型マネジメント」が必要になるわけです。

参画型のリーダーは、自分が喋らずにメンバーに喋ってもらいます。
行動の特徴は、メンバーみんなが発言できるように気を配っていることです。
「◯◯さん、意見ない?」と振ったり、発言に対し、頷き「なるほど!」と言います。

社員教育に多様性を持たせるのも特徴です。
例えば、推薦図書の選び方です。
僕が研修でお世話になっている、「一般社団法人 信州子育てみらいネット」(山岸裕始 理事長)が運営する「みらいく」という保育園では、山岸さんが推薦図書を1冊だけ指定するのではなく、何冊も用意して職員さんに選んでもらっています。
読んだら、1人1人、気づきを発表してもらってい、学び合いを行っています。
一粒で何度も美味しい学習法だと思いました。

自分で選べると学びが楽しくなります。
やがて、自分から本を選ぶようになり、知の多様性はさらに上がるでしょう。

もう、僕もあなたも、脳が古くなっています。

「みんなの脳と体験」を借りるマネジメントを推進しましょう!

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

【全国5か所開催!出版記念イベント】

本書はイベントをもって完成を成す!
新刊には書けなかったこと…新刊の事例で登場した企業の詳細を紹介したり、専門家の解説を交え深く掘り下げます。

9月2日(土) 仙台&オンライン開催『実践者に学び、指示ゼロ経営変容を疑似体験する3時間』
https://bit.ly/3JVugZU

9月9日(土)金沢&オンライン同時開催『”愉しく働く”が大企業並の賞与支給に繋がった理由』
https://bit.ly/44EKhes

10月7日(土)東京会場&オンライン同時開催『”個性が輝く経営”のキレイゴトを実装する方法』
https://bit.ly/3DbWRWN

11月2日(木)京都開催『正解のない時代の歩き方』〜進むべき道は「偶発性」が教えてくれる〜
https://bit.ly/3D9sYXp

11月18日(土)横浜&オンライン開催開催『失われた30年を取り戻す人と組織の育て方』
https://bit.ly/3DbT3Vy