人とチームを育てる達人は、3段階のステップで「任せて離れていく」

僕が人と組織を育成する上で、非常に参考にしている格言に「子育て4訓」があります。

1、乳児はしっかり肌を離すな
2、幼児は肌を離せ、手を離すな
3、少年は手を離せ、眼を離すな
4、青年は眼を離せ、心を離すな

15年ほど前に、PTA研修会で知った考え方です。

語尾は「離すな」となっていますが、この格言の要諦は、「上手に離れていきなさい」ということです。

今日の記事では、企業において自律的なチームを育てるための、「リーダーの離れ方」について考えてみます。

考える上での大前提は、「チームで課題を持ち、協働で仕事を進める」という形態を取っていることです。
上司が1人1人の部下と報・連・相を重ねながら仕事を進めるという、従来型の関係ではなく、チーム単位で課題や目標を持ち活動していることです。

図解するとこんな感じです。

チームの活動様式は次のようになります。
「課題を持つ」→「みんなで知恵を出す」→「役割分担を決め行動する」→「行動の結果を検証する」→「新たな課題を持つ」…(以下、繰り返し)

リーダーは、上手にチームから離れていきます。

①、最初は、自分たちで課題を設定することができませんので、リーダーが課題を提案します。
その際には、決算書などの情報を公開し、課題を設定した理由=必要性を説明する必要があります。
また、リーダーは自分の思い、願いを伝えることが重要です。
人間のモチベーションは、理由(必要性)ではなく、「こうしたい」という思い、願いかを知った時に生まれるからです。

知恵を出す時は、リーダーもチームに入り一緒に考えます。
気付けばリーダーの独演会ということにならないように注意が必要です。
リーダーは、発言しやすいように、発言に対し、頷いたり感謝の言葉を添えたりします。
みんなが発言できるように「◯◯さん、意見はないですか?」と振ることも大切です。

知恵を出しやすくするために、他社の事例を紹介するのも有効です。

要するに、答えを出さずに、考え方や事例を示することと、話しやすく、みんなが参加できるような場をつくることだけを心がけます。

②、次は、①でリーダーが行ってきた役割を、自分たちで出来るように育成することです。
徐々に、リーダーの出番を減らすことを心がけます。
自分がやってきた役割行動をメンバーに説明し、立場や社歴に関係なく、気付いた人が行うことを求めます。
最初は、上手くできないと思いますが、必要な役割が出ないと、話がしづらいので、どの役割が足りなかったのかはすぐに分かります。

③行動し、結果を検証すると、必然的に新たな課題が見つかります。

③まで来て、初めてリーダーはチームから離れることができます。
ただし、「子育て4訓練」にあるように、心だけは離してはいけません。
不思議ですが、心を離すとチームは不安定になったり、リーダーの思いを無視した変な方向性に向かうことがあります。

①から③までに要する時間は、早くて3年〜5年、もともとトップダウン型経営だった組織から変える場合は、7年、10年かかります。
急いで変えようとすると上手くいきません。
リーダーの力ではなく、自分たちの力で変わっていくことを忘れてはいけません。

というわけで今日も素敵な1日をお過ごしください。

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