人材育成の達人がやっている「頼りにする」というコミュニケーション

リーダーの部下への接し方は次の3段階で進化します。

1、指示・命令する
2、任せる
3、頼りにする

あなたはどの態度で部下に接しているでしょうか?

1で止まっているリーダーもいます。
そこにはある悪循環があります。それは、まだ部下を信頼できないから指示を出す→部下は指示がないと動けなくなる→動けない様子を見て信頼できずに指示を出す…こんな悪循環です。

この状態で止まっているリーダーは「まだ任せられる段階ではない」と言いますが、任せないから育たないというのが真実だと僕は考えています。
小さなことから任せることが大切だと思うのです。

今日の記事は、2から3への進化・変容に関して考えたいと思います。

2の任せる段階には明確な上下関係があります。「自分でもできるけど任せる」という上から目線があります。
いわゆる権限移譲です。
別に悪い接し方ではありません。
リーダーが方向性、ビジョン、戦略などを示した上で任せるというのは、最も多く行われているコミュニケーションです。

ほとんどの場合、リーダーの想定内に収まります。

これが3の「頼りにする」の段階に入るとリーダーの想定を超えたイノベーションが起きる可能性があります。

例えば、僕の書籍の中で紹介した、岩手県の京屋染物店さんです。
昨日、ホワイト企業大賞の「ホワイト大賞アカデミー」というイベントで、第7回ホワイト企業大賞を受賞した京屋染物店さんをお招きし、組織の変容に関する貴重なお話をお聞きしました。

染め物業界は衰退産業です。
100年前に14,000社あった染物店は、今、300社ほどしか残っていません。
そんな状況ですから、方向性、ビジョン、戦略を明確に示すことは非常に難しい。

数年前、同社の蜂谷悠介社長は、迷いながらも自社の未来を模索していました。
ところがそんなある日、なかなか方向性が決まらないストレスを抱えた社員さんが社長を呼び出し迫りました。

「社長ならちゃんとビジョンを示して欲しい」

経営者なら分かると思いますが、こんな事を言われたらプライドはズタボロです。

追い詰められた蜂谷社長は叫びました。

「オレだってリハーサルなしで社長をやっているんだから分からないんだよ」

この瞬間に2から3に変容したのだと思います。
その証拠に、この後、他者を頼りにした者だけが口にできる言葉を言ったのです。

「力を貸して欲しい」

この変容が同社のイノベーションの源だと考えています。
社長の想像を超えた商品開発、ブランド化、社内マネジメントなどが実現しています。

昨日、登壇した社員さん、庄子さおりさんのエネルギーに皆さん、感動していました。
同社をまったく知らない人では誰が社長か分からないほどに社員さんが育っています。
そして業績好調!!

1、指示・命令する
2、任せる
3、頼りにする

あなたはどの段階を目指しましょうか?

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