賃上げが企業の活力になるか、単なるコスト増で終わるか

賃上げをしても社員のモチベーションは上がらない

「賃上げ」のムードが高まってきました。
岸田政権は政策の肝として「成長と分配」を掲げ、企業に3%の賃上げを期待しています。
トヨタ自動車は春闘の1回目の交渉で満額回答をしました。
さらに現在、物価が上昇していますので、世の中、さらに賃上げのムードが高まることは間違いないと思います。

僕はとても良いことだと考えています。
なんせここ30年間、会社員の賃金は増えていないのですから。

しかし、それには「正しい賃上げ」が欠かせません。
そうでないと企業の力を低下させるだけで終わってしまいます。特に中小企業は。

政府は何が何でも結果を出しにくるでしょうし、一部の人は、ここぞとばかりに「賃上げにより働く人のヤル気が向上する」と言います。

でも、賃金を上げても社員さんのヤル気は向上しません。
低すぎる場合には弊害がありますが、一定水準を超えればヤル気は向上しません。
賃金は衛生要因であって動機づけ要因ではないからです。

僕には「これだけは避けたい」と思う、最悪のシナリオがあります。
それは賃上げムードが高まることで、賃上げができない企業の離職率が高まる、あるいは人を採用できなくなる、なので無理して賃上げをしたはいいが、社員さんのモチベーションは上がらず固定費だけが増え経営が苦しくなるというシナリオです。

困りますよね。
一時的に賃金が上がり喜んだのもつかの間、最終的には誰も得をしません。

社員さんが賃上げと利益を同時に考えることが唯一の解決策

これを避けるためには、正しい賃上げが必要です。
その鉄則は…

「社員さんが賃上げと利益創出を同時に考える」…しかも、社長に言われて考えるのではなく主体的に考えることです。

賃金は売上総利益から出されます。
出したくても、なければ出せないのです。
売上総利益が増えないのに賃金が増えたら会社はおかしくなります。
多くの会社ではこの危機感を社長だけが持っています。
だから賃上げを躊躇してしまうのです。

想像してみて下さい。
社員さんが賃上げと利益創出をセットで考えてくれたら、どれだけ心強いことでしょうか?

こんな素晴らしいことが起きると思います。
・売上総利益の目標を全員で共有、それが実現された時の賃金も分かる。
・みんなで知恵を出し、力を合わせまい進する。(今の時代、こうしないと成果は出ない)
・そんな働き方が愉しく、仕事が好きになる。(ここで初めて真のモチベーションが生まれる)
・なによりも社長が孤独から解放される

今、研修でお邪魔している、ある企業さんは完全にこの領域に達しました。
すごいですよ。
社長の思いを受け、自分たちで目標を考え社長に提案しました。
それを実現するために、今の仕事をすべて見直し効果のない仕事をリストラしました。
空いた時間を未来創造に当てて、素晴らしいチームワークで邁進しています。

結果的に付加価値の高い商いに進化して、「高業績→賃上げ」の好循環になるでしょう。

賃上げのムードにどう対応するか?
とても大切なことだと思います。

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