決算書の開示が必要と言うが、本当に重要なのは開示までのプロセス

情報開示はただすれば良いというものじゃない

指示ゼロ経営、自律型組織を成功されるためには情報開示が欠かせません。
なぜなら、情報がないと意思決定ができないからです。
指示ゼロ経営では、メンバーは上司の指示ではなく自らの意思で動きます。
意思を決めるためには情報が必要。
社内にある各種情報の中でも決算書の公開は最も重要だと考えます。
決算書はいわば通知表みたいなものですからね。

ところが、指示ゼロ経営の実践者からこんな相談を受けることがあります。

「決算書を公開したけど、社員が『ふ〜ん』といった薄い反応しか示さない」

僕は、単に読み方が分からないのでは?と思っていましたが、そうじゃないことに気づきました。

それに気付かせてくれたのが、僕の親友でありメンターである上村晃一郎さんです。

上村さんいわく、「スタッフさんが急に『経営数字を知りたい』と言い出した」とのこと。
その理由は、シンプルで、数字が気になるから。

どうして数字が気になるかと言えば、自分たちで行動した結果がどうなったかを知りたいからです。
至極、当然のことだと思います。

相手が求めていないのに公開しても「ふ〜ん」で終わってしまいます。

上村さんの話を聞いて、僕が経営してきた会社でも同じだったことを思い出しました。
僕は、最初は損益計算書だけを公開していました。
ある日、社員が「貸借対照表」も見たいと言ってきたのです。
数年分を渡すと、書店で買ってきた「決算書の読み方」なる本を読みながら一生懸命に理解しようとがんばっていました。

損益計算書は単年の収支ですが、貸借対照表はこれまでの歴史の積み重ねで残った金やモノが載っています。

正直、最初に開示を求められたときは怖かった。
でも、僕と同じように会社を思ってくれている事が分かったら、とても頼もしく思えました。

求める者は、それを最大限に活用する

僕が上村さんの話を聞いた時に、ある出来事を思い出しました。
それはウチの息子がバイオリンを習い始めた時、今から17年も前の話です。

息子は、世界的なバイオリニストを輩出しているスズキメソードで習いました。
(ちなみに、King Gnuの常田大希さんもスズキ出身だそうです)

通い始めて1ヶ月くらいはバイオリニストを持たせてくれませんでした。
代わりに、なんと妻が練習しているではありませんか。
「あなたが習うの?」と聞いたら、妻は「私が楽しく1曲、弾けるようにならないと息子は習えないの」と言います。

変わってるな〜と思いましたが、すぐにその理由が分かりました。
妻が楽しそうに弾いているのを見た息子が、「僕もやりたい」と言うのです。

その瞬間。
息子にバイオリンが渡されました。

求めた時が習い時。
情報開示も求められた時が開示の時。
ただ形だけ公開しても効果がないわけです。

会社を自分事にした時に知りたくなるのです。
では、どうすれば自分事になるのかと言えば、それは「自ら決めた経験の積み重ね」だと思います。
最初のうち、まだ人と集団が十分に育っていない時は、あまり重要な仕事は任せられません。
(任せられる側も困る)
そうした仕事は決算書の開示は必要ないものが多いと思います。

しかし、意思決定を重ねていくと、人は物事を自分事と捉えます。
自分事=大切に思う。
大切な会社が今、どういう状態なのかを知りたがるのは当然のことですよね。

今日のまとめは…
□形だけの情報開示では効果がない。
□最初から開示しても、求められてから開示してもOK
□社員さんが求めた時に、開示の効果が真に発揮される(意思決定に磨きがかかる)

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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