困難で崩れる組織になるか? 困難を変容のチャンスに変えるか?

変化を生み出すか?変化に振り回されるか?

今、この状況下にあり、組織の底力が試されていると思います。
先行きが見えない、何が正解か分からない…
そんな状況の中で、もがきながらも確実に前に進んでいる会社があります。

そんな会社では課題に対し
「1、サッと集まり」
「2、知恵を出し」
「3、役割を決め」
「4、行動し」
「5、行動した結果を検証し次に活かす」…この5つを繰り返しています。

最初から正解は分からないが、やっていくうちに自分たちの正解が観えてきます。
この力は、今の状況はもちろんのこと、コロナ後でも大切な力だと考えます。

一方で、リーダーが指示を出さないと動けない組織では、不満ばかりが鬱積しています。
無理もないと思う。
この状況下ではリーダーだって正解を示すことができません。
しかし、これまでトップダウンでやってきた組織では、メンバーは正解を示してくれ、行動を指示してくれるのを待つしかありません。
リーダーが正解「らしき」ものを示しても、やってみた結果、間違いだったという事が多い。
やり方を変え、また変え、と繰り返すうちに「リーダーは無能だ」と言い出す人が出る。

リーダーが招集しないと集まれない。
無関心で発言しないから知恵が出ない。
誰かに言われないと役割を決めることができない。
指示しないと行動しない。
結果に無頓着で成長しない。

自ら変化を作り出すことができず、いつもリーダーがつくり出す変化に振り回される不満を持つことになります。

皆んなが心から望むものを共有し、困難を機に変容する

では、どうすれば5つの力は身に付くのでしょうか?
ある会社の事例で紹介します。
その会社のある部門では、これまでリーダーがどれだけメンバーを指導しても、先程の悪い状態が続きました。
リーダーはメンバーと1対1の成長対話を重ねてきましたが、どうもチーム全体を観る視点が育たず、自分のことしか考えられない。

課題に対し、集まれない、知恵を出せない、役割を決められない…
そんな無関心な状態だから行動しないし、故に検証もない…

リーダーは1人で頑張って、色んな工夫をしてきました。
例えば、仲間が今、どんな仕事をしているかが分かる仕組みをつくれば協働が起きると思い、整備しましたが、そもそも無関心。

リーダーが頑張れば頑張るほどに、メンバーは振り回されることになり不満が鬱積していきました。

それが一変したのがコロナです。
営業をするか否か、顧客へのフォロー、勤務体制の整備…
決めなければいけないことは山積、リーダーは、これまでのチームの状態から「もうダメだ。打つ手なし」と諦めかけていたそうです。

しかし、突然、集団が変わった。

「会議をしましょう」と言い出すメンバーが出た。
解決に向けてアイデアを出し始めた。
メンバー全員の状態、仕事の進捗を、リーダーが作った仕組みを使い自ら確認するようになった。
当然、自分たちが参画して決めたことだから、やってみた結果は気になります。
日々、改善がなされました。

何が変わったのか?
それは危機に直面したことだけです。
さらに言えば、危機を乗り越えたいという想いがメンバーにあったことだと。
これは僕の推測ですが、これまで積み重ねたメンバーとの対話でリーダーの思いが伝わっていたのだと思います。

共創・協働は、1人では解決できない課題に直面した時に起こります。
環境の問題なのです。
この環境がコロナで強制的に作られた。

これは危機が起きないとできないわけではありません。
1人で収まっていては実現できない皆んなが心から実現を望む事があればできます。

5つの力は環境によって発動するかが決まる。
だから、今は組織が変わるチャンスだと考えるのです。

リーダーは情報開示をして、今の状況を正しく共有すること。
自分の想いと、乗り越える決意を伝えメンバーを頼ることだと思うのです。

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