もし営業ができなくても、今、商売人がやるべき事 〜その2〜

今、コロナ禍で人々の間に顕著に立ち上がっている欲求があると思います。
収束すればその欲求は落ち着くと思いますが、僕は、商売人は喫緊の欲求に応える事が大切だと考えています。
それが目先の売上にならなくても、困っている人がいるのだから。

昨日の記事でも書きましたが、まずはキャッシュを繋ぐことが大切だと思います。
それと並行して、今の欲求に応えることが、事態が落ち着いた時の盛大な商いに繋がっていくのだと。

今日の記事では、昨日の記事の続き、応用編をお伝えしたいと思います。

誰かの役に立てていない…そんな悩みを抱える人が増えている

昨日の記事では、3つの価値を確認しました。
1つは「機能的価値」
これは、商品やサービスそのものの性能、効果・効能です。

2つ目は「情緒的価値の提供」
あのお店に行くと元気になる、あのお店に行くと愉快な仲間がいるといった、人間関係によってもたらされる価値です。

3つ目は「自己充足価値」です。
これは人間関係の中で、自分が必要とされている実感…自己重要感が満たされる価値です。

先日の記事では情緒的価値について書きました。
今日のテーマは自己充足価値です。

今、活動したくてもできない人が多くいます。
とても不安だと思います。
僕もそうです。
人が集まるセミナーは開催できませんので、オンライン開催に切り替えました。
4月のセミナー売上はゼロです。
売上が作れないストレスもありましたが、もう1つの不安があることに気付きました。
それは「自分が誰かの役に立っていない」という不安です。
自分の存在が薄くなっている、そんな不安。

最近、オンライン飲み会が盛んですが、参加する意義は、人との接触が制限されている寂しさからの開放…関係を持てることにあります。
さらに、その中で自分の存在を認められたいという欲求があると思います。

これらの欲求が満たされる場を創れば、事態が収束した後に、商売の形がガラリと変わる可能性があると思います。

提供する側、される側の境をなくす

僕は常々、売り手と買い手、提供する側とされる側という分離が邪魔だと考えています。
どういうことか?
お客様は何かを叶えたくて商品やサービスを買います。
商品を入手することは手段であって目的ではありません。

叶えたいことがあるならば、商人はそれを叶えることをミッションとすべきだと思うのです。
お客様は買ってからがスタート。
でも、商人が売ったらゴールでは望みのミスマッチです。

この視点に立つと、提供する側とされる側という境がなくなり、会社とお客様は望みに向かい協働する同志という関係になります。

図解するとこんな感じです。

スタッフともお客様とも同志になった形、これが指示ゼロ経営が目指す関係性です。

さて、このような関係になると、商売の本質が「提供」から「共創・協働」に変わります。
共創は、まさしく皆んなの力で実現するもの。
皆んなで知恵や経験を出し合って、皆んなで栄える事を目指すコミュニティーが作られます。

コミュニティーの中に、経験豊富な人なお客様がいたら、その方に先生になってもらえば良い。
企業よりもお客様の方が説得力がありますしね。

すると、先程の「自己充足価値」が満たされるわけです。

特に今はこの欲求への渇望が強いからコミュニティーがつくりやすいと思います。
事態が収束しても、決して消える欲求ではありませんので、その後の商売がやりやすくなると考えます。

コロナでものやサービスが売れない、そんな時期でキャッシュの管理とともに、コミュニティーづくりをやることが大切だと思います。

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