もし営業ができなくても、今、商売人がやるべき事 〜その1〜

緊急事態宣言が全国に発出され営業自粛を余儀なくされるお店、会社も増えます。
借り入れや助成金などを活用してキャッシュを繋ぐことが、まずもって大切ですが、並行してやるべきことがあると考えます。

それは「情緒的価値」を創造すること。
これは、勘の良い商人は既に無意識でやっていますが、意識的に、自覚してやることが大切だと考えます。

情緒的価値とは何か?
具体的に何ができるのか?
今日は、そんな事を考えたいと思います。

情緒的な価値を提供する

価値には3種類あると言われています。
1つは「機能的価値」です。
これは、文字通り、商品やサービスの性能、効果・効能です。
自動車で言えば、しっかり安全に走ること、運転のしやすさや車内空間の居心地の良さといったものです。

2つ目は「情緒的価値の提供」です。
あのお店に行くと元気になる、あのお店に行くと愉快な仲間がいるといった、人間関係によってもたらされる価値です。

3つ目は「自己充足価値」です。
これは人間関係の中で、自分が必要とされている実感…自己重要感が満たされる価値です。

この3つが重なったら商売は強い。

さて、営業自粛になると機能的価値を提供する事ができなくなるわけです。
しかし、情緒的価値は提供できます。
その証拠に、今、オンライン飲み会がいたるところで開催されています。

今、皆んなが不安を感じながら生きています。
オンライン飲み会には、不安から開放されたいという情緒的価値があるのです。

ZOOMなどの集まりは1つの手段です。
他にも方法はあるはずです。
例えば、人々が不安を感じ、人のぬくもりを求めているという視点に立てば、「実家にいる両親へのプレゼントを送りませんか?」というサービスも、立派な情緒的価値の提供です。

情緒的価値を軸に機能的価値を変える

先日、僕が大好きなお蕎麦屋さんに行きました。
お蕎麦も最高に美味しいのですが、大将がとても元気な方で、話をすると元気になるんです。
でも、大将は心配していました。
「感染患者が近くでも出た。営業すべきか迷っている。でも、僕の役割は人に元気を与えることだから営業したい…」と。

このお蕎麦屋さんの価値の本質は、「元気になる」ということだと思います。
だから、最高に美味しい蕎麦を打つ。だから、最高の接客をする…
しかし、価値を提供する手段は他にもある、お店を閉めていてもできることがあると思います。

そんな事を思っている中、親友でありビジネスパートナーの中塚緑さんとZOOMミーティングをしました。
その中で情緒的価値の話をしたら、なんと偶然にもお蕎麦屋さんのアイデアを持っていたのです。

「蕎麦をすする音のオンラインコンテスト」なるアイデアです。
ウケました。心が踊りました。僕も参加したくなりました(笑)

詳しくは彼女のブログを御覧ください。
「オンラインだからこそ出来ることで楽しむ方法を考える」

今、生活者は「お店に行けない」など、機能的価値を買えなくて困っていますが、それ以上に不安を軽くしたいという情緒的価値を求めていると思います。

不安や、人との関わりへの希求を発想の軸にすれば、新たな提供法・新たなサービスを開発することができると思います。

商売は、機能的価値を使い、お客様の何らかの情緒的価値を創造する営みだと思います。

そして、今、その関係性をつくったならば、収束後には、これまでにない素晴らしい世界が広がる、そう思っています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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