見返りを求めず人を育てるリーダーたち
先日、「感謝されたい」ではなく「喜ばれたい」…見返りを超えた動機の力」という記事をかいたところ、多くの反響があり、今日は続記事を書くことにしました。
「お客様が喜んでくれることが嬉しい」と「お客様に感謝されることが嬉しい」は、似ているようで全く性質が異なります。
前者は、お客様が喜ぶ姿を見ることに純粋な悦びを見出しているのに対し、後者は感謝という見返りを求めていますね。
前者は、例えば、あなたが魅力的なレストランを見つけたとします。
それを家族や友人に教える時、見返りを求めているでしょうか?おそらく、純粋なる「知ってほしい」という気持ちで推しているはずで、だからこそ、それを聞いた相手は「是非行ってみよう」と動機づけられるのです。
そして、あなたに勧められてレストランに行った人の身にも、あなたと同じことが起こります。
つまり、その人も、自分の大切な人に「是非行って欲しい」と勧めるのです。
この連鎖が続いていくのだから、商売は原理的に繁栄するわけです。
さて、今日の記事は、この原理を上司と部下の関係にも当てはめてみたいと思います。
実は、この原理は、私たちは、子どもの頃に親との関わりの中で学びます。
特にクリスマスです。
親は、子どもに喜ばれたくて、子どもが欲しいものを以前にリサーチしたりしますが、その手柄をすべてサンタクロースに譲ります。
親にとっての報酬は自分への感謝ではなく、「サンタさん来たよ」と歓喜する我が子の姿です。
これを「無償の愛」と言う人がいますがそうではありません。
実は、親も昔、自分の親から同じような施しを受けており、それを親にではなく次世代に送っている…恩送りなのです。
人がよく育つ企業では、恩送りの原理が働いています。
それは、そういう企業で頻繁に聞かれる「今の私があるのは、◯◯さんのお陰」という言葉に現われています。
恩送りには次のような特徴があります。
・「自分もそうしてもらった」というプレヒストリーがある。
・「私とあなた」という閉じた関係でなく「私からあなたへ、あなたから別の人へ」と広がっていく。
では、どうすれば恩送りは起きるのでしょうか。
それは、とりも直さずプレヒストリーをつくることです。
例えば、僕のビジネスパートナーに、特定社会保険労務士の大沼恭子さんがいます。
僕は、この1〜2年ほど、彼女の意識変容に接し、完全に人材育成の熟達フェーズに入ったと確信しています。
その理由は、社員の育成に対し見返りを求めることがなく「育つことが純粋に嬉しい」というモードになったからです。
おそらく、大沼さんにもプレヒストリーがある…同じように大沼さんが育つのを純粋に喜ぶ誰かの存在があったのだと思います。
そして、社員さんにとって、大沼さんがプレヒストリーになる。
きっと社員さんは、受けた恩を大沼さん以外の誰かに送っていくでしょう。お客様に送れば、商いは活性化しますし、部下に送れば持続的に人が育ちます。
お恩送りは教え込んで身につくスキルではありません。
それは、「自分もそうしてもらった」という体験、すなわちプレヒストリーから自然に芽生えるものです。
その第一歩は、自分は、これまで誰から何を受け取ってきたのか?…受けた恩を思い出すことではないでしょうか。
※「記事が面白かった」という方は、是非「読者登録」を!読者優先セミナーや無料相談など、登録者限定の秘匿情報が届きます。



