弱音は、あなたの組織を救う救世主。

社内でプロジェクトを始動する時に、後ろ向きな発言をするメンバーはいないでしょうか。
「そんなことができるのか?」「ただでさえ忙しいのに」といったもので、そんな弱音が出ると、リーダーは出鼻をくじかれた気になるものです。
しかし、弱音はできるだけ早い段階で吐いてもらった方が良いと考えています。

なぜならば、後になって吐かれる方が厄介だからです。

組織には、「できない理由ではなく出来る方法を考える」といった「前向きバイアス」がかかりやすく、懸念があっても言いづらいもの。
だから、言ってくれる人はありがたいと思うのです。

懸念が現実化すればプロジェクトは頓挫しますので、できるだけ早い段階で懸念を明らかにすることが大切です。
しかも、現場感覚は現実化することが多い。

例えば、2002年、みずほ銀行の統合の際に発生したATMの大規模システム障害では、後になって、現場から「このスケジュールでは非常に難しい」という懸念が出ていたことが確認されています。
ところが、なぜか上層部には、その声が「頑張ります」に転換されていたのです。懸念を聞く勇気がなく「エイヤ」で進めてしまったんですね。

天才集団のNASAでさえ懸念に蓋をして、大事故を発生させた歴史があります。
「コロンビア号空中分解事故」です。
一部の技術者から、機体から断熱材が剥がれ落ちる危険性が指摘されていたのにも関わらず、組織的にそれを封殺したと言います。
事故調査委員会は、組織の問題点として「意思疎通を妨げたり、意見の相違を抑圧したりといった、組織的な障壁がある」…端的に言うと、懸念を封殺したということです。

あまり気が進まないかもしれませんが、1on1の面談で、懸念を聞くようにしてみてはいかがでしょうか。
すると、「今年からPTAの役員になることが決まっていて、残業ができない」「子どもが部活を始め、送迎などに時間が取られるかも」といった個人的な懸念が出るものです。

しかし、ほとんどが「会社や仲間に迷惑をかけたくない」という善意によるものです。

また、懸念を抱えたままプロジェクトがスタートすると、メンバーは力をセーブするかもしれません。例えば、PTA役員になった人は、時間的ゆとりを持つために積極的に仕事を受けなくなる可能性があるのです。
これでは、組織内にアクセルを踏む人と、ブレーキを踏む人が混在することになり、組織の活動はギクシャクしてしまいますよね。

懸念が出ても、予め準備をする必要はありませんが、心づもりはできます。
心の準備ができていない状態で、不意打ちを食らうと組織は混乱するし、人間関係にも暗い影を落とします。

リーダーは、スタート時の勢いを大切にしたいので、懸念に蓋をしたくなると思いますが、勇気を持って聞くことをお勧めします。
 
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