1人で悩むリーダーが組織を混乱に陥れる

自律性とは「自己決定」…自ら考え決めることですが、そのためには意思決定に必要な情報が欠かせません。
組織の自律性を高めるならば、情報開示は絶対に欠かせない要件です。

では、どこまで情報開示をすれば良いのでしょうか。
よく「ガラス張り経営」ということが言われ、何でもかんでも開示しなければいけないと考える人がいますが、すべてを開示する必要はありません。
開示すべき情報とは、とりも直さず「意思決定に必要な情報」ということになります。
例えば、売上総利益です。売上総利益は企業活動の原資であると同時に、社員の賃金に影響する重要な数値です。

もし、経費の使用を社員に委ねている場合は、営業利益までの開示が必要になりますが、中小企業では、経費に関しては経営者領域ではないでしょうか。

さて、ここまでは教科書どおりの話。
今日は、「悩みの開示」という、これまた重要な案件について考えたいと思います。

リーダーは、つい1人で悩みを抱え込みますが、それは部下からすれば迷惑なことかもしれません。
リーダーの悩みが100%個人的なものであれば良いのですが、大抵は組織に関わるものであり、部下にとっても無関係ではないはずです。
リーダーは、フォロワーがいて初めてリーダーになれるわけで、フォローしてもらうためには、現状を正しく知ってもらう必要があります。

逆に、開示しないと、組織内に変な噂が流布する危険性があることを、ゴードン・オルポートという社会心理学が突き止めました。
オルポートによると、デマが流布する法則は次の通りだと言います。

デマの流通量=内容の重要さ ✕ 内容の曖昧さ

例えば、コロナ禍で、トイレットペーパーの買付騒ぎが起きましたね。
発端は、SNSで「中国で、トイレットペーパーの原料をマスク製造に使い、トイレットペーパー不足になる」というデマが拡散したことでした。
しかし、トイレットペーパーはほとんどが国内生産で、紙を主な原料としており、マスクの原料(ポリエステル)とは異なります。

まったく根拠のない話ですが、「トイレットペーパーのない生活は耐えられない」(重要さ)✕「情報の不確かさ」というオルポートの法則にはまり拡散したというわけです。

リーダーが1人で悩むことは、まさにオルポートの法則に当てはまります。
「リーダーが悩むくらいだから重要案件に違いない」×「何に悩んでいるか分からない」

そういう意味で、コロナ禍における、星野リゾートの「倒産確率の開示」は、とても理に適っていると思うのです。

悩みを開示しないリーダーは「開示すると混乱を招く」と言いますが、全く逆で、開示しない方が混乱を招きます。

また、情報開示は部下への信頼の証、一人前と見ている証でもあります。
勇気を出して、悩みを打ち明けてみてはいかがでしょうか。
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