カンフー映画から学ぶ「自ら育つ」人材育成の秘訣

Youtubeでジャッキー・チェンの「酔拳」が無料公開されており、40年ぶりに観ました。
カンフー映画では、弟子は気が遠くなるような基礎の反復をやらされ、ある日、突然、秘伝の書を渡されるというストーリー展開が定番です。

なんで最初に秘伝の奥義の存在を明かさないのでしょうか。
今日のブログは、そんな疑問から理想的な人材育成プロセスを考えます。

日本の芸事や武道には「守破離」という考え方が根付いています。
まずは師の教えを忠実に守り(守)、次にその型を破って応用・発展させ(破)、最後に独自の道を確立させる(離)という三段階で成り立っています。

個を活かす前に、徹底した没個性の段階があり、このプロセスを経ないと「型破り」ではなく「型なし」になってしまうということです。

指示ゼロ経営でも「守」の段階を重んじます。
僕が経営してきた新聞店では、入社後半年間は徹底して「守」の反復があります。それがものすごく細かいのです。

朝、会社に入るところから「型」を定めています。

①鍵を開けたら、すぐにセコムを解除する。
②パソコンを立ち上げる。
③FAXを確認する。
④作業場の電気をつける。
⑤出勤表を見て、本日のメンバーを確認する。

このように、細かく行動が決められており、半年間は、先輩社員が徹底して指導します。専用のスタンプカードがあり、行動をしたら先輩社員からハンコをもらうのです。

窮屈と思うかもしれませんが、「その通りに行動すれば必ず出来る人になれる」というわけで、新入社員には有難がられています。

さて、ここで話をカンフー映画に戻します。いつも思うのですが、映画では、秘伝の奥義の存在を知らせずに、基礎の反復をやらせるんですよね。
その方が話が面白いからだと思いますが、現実の人材育成では「どのように育ってほしいか?」…プロセスをあらかじめ伝えることが大切です。

指示ゼロ経営では次の3つのステップを提示します。

1、教え育む
2、教わり育つ
3、学び合い

スタンプカードは1の段階です。
2の段階に入ると、主体が部下に移ります。仕事のやり方を自ら決め、そのために必要な知識は、自分で調べたり先輩に尋ねたりします。先輩も教えることで学びになりますね。
最後の「学び合い」では、自分の知識や経験を仲間と共有し切磋琢磨します。教える側、教わる側、双方にメリットがありますし、何よりも他者に貢献できることは非常に喜び深いものです。

成長ステップは採用時に確認することが大切です。自分の成長イメージが描けるとモチベーションが高まり、自律的にそこに向かって進んでくれます。

酔拳を観ながら、そんなことを感じたのですが、どうしても秘伝の奥義を隠すことが気になるんですよね。
もしかしたら僕の想像を超えた意味があるのでしょうか。
知っている方がいたら教えて下さい。
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