ビジネスから活力を奪う「正解を求める癖」はどうすれば直るのか?
私たちは、生まれた時からずっと、他人の評価にさらされて生きています。
家庭では親から。学校では教師から。会社では上司から。顧客からの評価も気になりますね。
評価を受けることで課題が浮き彫りになり、成長の機会を得ることができますが、同時に、他人の評価軸に振り回され、自分を見失うこともあります。
自分の軸を見失っている人は想像以上に多いんじゃないかな。
僕は、一般社団法人夢新聞協会という団体の代表を務めています。夢新聞とは、自分の夢が実現し、その活躍が、将来、新聞に載ったと仮定して、その記事を手作りするワークショップです。未来の日付を入れ、文章はすべて完了形で書きます。
これまでワークショップには、小学1年生から95歳まで1万人以上が参加しましたが、その中で、最も自由に夢を描くのはどの世代だと思いますか?
自由度が高いというのは、「他人の評価を気にしない」「自分軸で構想する」「正解を求めない」ということです。
多くの方が、小学低学年と答えますが、実は60歳以上のシニア世代なのです。
自由度では、高齢者→小学低学年→小学中高学年→中高生→大学生から30代→40代から50代という並びになります。
高齢世代が自由なのは、人生における数々の義務から解放されたからだと推測しています。
自由を謳歌しているように思える子どもも、相当に大人の評価を気にしています。
僕は、小中学校でワークショップを行う際には、必ず子どもたちに「今日は、皆さんが書いた夢新聞に対し、一切の評価をしません。褒めも批判もしないということです」と伝えます。
大人からの評価という軸を失った子どもたちは、最初は困惑した表情を浮かべますが、すぐに自由に描き始めます。
感想の中でも、評価をしないと言われたことに関する反応が多数を占めます。
他者の評価に翻弄されることによる弊害は、革新的なアイデアが生まれないことにあります。
なぜならば「他者」のほとんどは平均的な思考の持ち主であるからです。
特に、ビジネスでは大きな弊害を呼びます。
電器店に行けば、メーカー名を隠せば差異が分からない製品ばかりが並んでいるのは「市場調査」という名の正解探しを徹底した結果です。
バルミューダのトースターは、雨の中行った社内BBQ大会で、炭火で焼いたトーストが美味しく、「こんな美味しいトーストが焼けるトースターを作りたい」という衝動で開発が始まりました。(雨の水分と炭火の火力が美味しさの秘訣だったということらしい)
Apple社は、従来の市場調査の手法を重視せず、自社でトレンドを生み出すという戦略をとっています。
そういう意味では、大阪・関西万博のキャラクター「ミャクミャク」は良いですね。最初は「気持ち悪い」と不評でしたが、気づくとなぜか大人気になっていますからね。
差異性の欠如は、私たちの生き方の課題といっても過言ではないと思います。
時には、「一切、評価は気にしなくて良い」という号令のもと、実験的な活動をすることも必要なのでは?と思うのです。
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