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賃金は働く動機の全てではない。しかし自律型組織を支えるベースになる

経営は「どれだけ味方を増やすか?」に成功がかかっていると思います。
社長の望みをどれだけの人が共感し支持してくれるか?ということです。
「社員は望むか?」「社員の家族は望むか?」「お客様は?」「地域は?」「国は?」「地球は?」「天は?」
みんなが望むものであれば、それが実現しない方がおかしいですよね?
 
ところが一番近くにいる社員さんとでさえ利害が相反しているケースもあります。
その代表格が「賃金」です。
今日は、まずはベースとなる賃金の利害を一致させようというテーマで記事を書きますね。

信頼関係の構築には、利害の一致が基本になる

賃金は働く動機の全てではありませんが、重要な要素の1つです。
以前に、大手飲食店の社長が「我が社は従業員満足度が高いから、賃金はもっと低くていい」と発言し炎上しました。
これは「我が社は顧客満足度が高いから、高価格でも良い」という論理をすり替えたのだと思いますが、これでは「やり甲斐の搾取」と言われても仕方がないと思います。
 
本来は、お客様に喜ばれる仕事をして、それで社員さんが幸せを感じ、その結果、業績が良くなり賃金も増え、さらにがんばるという好循環が欲しいものですよね?
 
賃金に関する利害の不一致とは、社長は社員を安く使いたい、でも社員はたくさん欲しいということです。
この不一致による弊害は非常に大きいと思います。
ベクトルが同じ方向に向かいないのを、無理して向けようとすると別の動機を用意しなければならなくなります。
例えば表彰制度や、社員の行動を賞賛するといった取り組みです。
エネルギーを使いますよね?
下りのエスカレーターを懸命に登るのと同じだと思います。
 
だから利害を一致されることが大切だと考えるのです。
社長と同じ動機にしてしまうことです。
安く使いたいってことじゃないよ(笑)
 
社長は儲かったら自分の給与を上げることができますよね?
業績が下がったら「しょうがない、給与を下げるか…」となる。
業績を見ながら取り分を決めているはずです。
(役員報酬は「定時定額」の原則があるから期中に簡単に変えることはできませんが)
 
社員さんの賃金も、それと同じ「ような」構造にすることだと考えます。
「ような」というのは100%同じではかえって弊害を生じされるからです。

賃金制度の基本となる「三角関係」とは?

業績に連動して賃金が決まる仕組みは自律型組織の活力を支えるベースになります。
「どれだけ儲かったら、どれだけ賃金が増えるか?」…そのルールを決めることです。
ただし、ここで注意すべきは「業績による変動をどのくらいにするか?」ということです。
 
賃金が業績により大きく変動して良いのは、それなりの額の月額基本給をもらっている社員だけです。
変動しても基本的な生活が送れるだけの額をもらっているということ。
 
賃金額は次の2つの要素で決まります。
「仕事の難易度」と「仕事量」です。
 
主に企画など会社の未来を創る業務に携わっている社員…「たくらみ社員」は、仕事の質が業績に与えるインパクトが大きいですよね?
難易度が高く、ゆえにそれなりの額が必要になります。
対し、作業に携わる社員は業績へのインパクトは小さいので、たくらみ社員よりも賃金は低く、仕事量により賃金が決まります。
IMG_4390
 
この考えを基本にした上で制度をつくらないと社員は不満を抱えることになります。
例えば、たくらみが悪いと「忙しのに儲からない」という状態になりますが、一番忙しいのは現場で作業をする社員です。
その社員に「業績が悪くなったから給与を下げる」なんて言ったら怒りますよね?
社内の人間関係はズタズタになっちゃう。
 
なので、次の三角関係で制度をつくることです。
「自己決定」「賃金額」「変動」
たくらみ社員は、仕事の難易度が高いですが、その分、自己決定の裁量を持っています。
そして賃金額は高いが業績による変動も大きいという関係。
 
主に作業に携わる社員は、業績に影響する部分が少ないので自己決定の範囲は限られます。
たくらみ社員に比べ賃金は低いが変動も少なく安定しているという関係です。
 
この三角関係がいびつになると上手く行きません。
 
トップダウン・指示100経営をしている会社では、社長が頭脳、社員はみな手足という関係なので裁量が少なく、業績連動型の賃金は適応できません。
 
生活者の消費感性が高度な上に変化も激しい現代では、社長が常に隅々まで正解を示し続け指示命令を出すことが難しくなります。
そんな時代では社員を、自分と共に悩み考えるパートナー…「頭脳」として観ることが大切ですよね?
そんな社員は、社長と同じ動機…業績連動型の賃金制度が必要になります。
 
指示ゼロ経営は損得勘定を超えた「同志」という関係で社員と繋がります。
しかし、利害が真っ向から衝突するような賃金制度では、その関係をつくることは難しいと思います。
 
賃金は働く動機の全てではない。
でも、自律型組織を創るベースだと考えます。
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!
 

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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