不安やトラブルをスルスル流す「ご機嫌力」の鍛え方

リーダーが「ご機嫌でいること」は、人と組織の育成の面でも、組織パフォーマンスの面でも、非常に重要な要件だと思います。

僕は、管理職研修の際に、受講者に「あなたがこれまで仕えた”最高の上司”と”最低の上司”の特徴をあげる」というワークを行います。それぞれの言動を対比させることで、良い上司の思考や態度のパータンを浮き彫りにし、自分にインストールするのです。

このワークで、最低の上司の特徴として浮かび上がるのが「いつも不機嫌」という姿です。
不機嫌な人がいると周りは気を遣いますよね。人は気を遣っていると思考力が低下します。必要な報・連・相もしづらくなりミスや認識のズレを生みます。

機嫌のコントロールはリーダーにとっての最重要リテラシーだと思います。

リテラシーを高めるためには、なぜ不機嫌になるのか?を考えることが欠かせません。
自分が不機嫌になる時を振り返ると分かりますが、大抵、物事が思うように進まず、その状況を受け入れられない時に不機嫌になるのではないでしょうか。

不機嫌に拍車をかけるのが「戦略発想」です。
戦略発想は、最初にゴールを設定し、そこから逆算してやるべきタスクを決めます。タスクが満たされればゴールに到達するわけですが、逆に言うと、ゴールまでは常に満たされない状態が続くわけです。
戦略発想は、足りないものに意識が奪われるという宿命を帯びているのです。
リーダーは自分の仕事だけでなく、メンバーの仕事の「上手く進まない」も抱えるので不機嫌になりやすいと言えます。

ではどうすればリーダーの上機嫌はつくれるのでしょうか?
僕がメンターに教わった方法を紹介すると…

「見るもの・考えることを別のものに置き換える」

ということになります。

人は、「タバコを吸わない」「お菓子を食べない」など「何かをしない」ということが苦手です。そこで「行動を別のものに置き換える」…例えば、「タバコを吸わない→ガムを噛む」といった、行動の置き換えをすることが有効になります。

機嫌をつくるケースで言えば、満たされていないものに意識が奪われ不機嫌になりそうな時に、「すでに達成されたタスク」「頑張ってくれているメンバー」「支持してくれるお客様」など、「有るもの」にフォーカスをスイッチするのです。
「有るもの」を積み重ねていくことでしかゴールに辿り着くことはできないですからね。

まさに「足るを知る」ということですが、この老師の言葉は「有るを知る」ということであり、幸福の王道であると同時に、成功への階段の第一歩という一面もあるのだと思います。


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