「小さな会社はダサい」から「小さいからこそ魅力」という時代になる

今思えば、それは新しい時代の幕開けの序章でした。
30年ほど前、ちょうどバブル経済が崩壊した直後から、都会から、人口2万人弱の我が町に移り住む「変わり者」が増えました。
彼らの話を聞くと、大企業を辞めて移住したというのだから驚きです。世間では、偏差値の高い大学に入り、一流大企業に勤めることが「人生の勝利者」と考えられていたからです。

当時、大企業への憧れはピークだったと思います。それは「勤務」という意味だけでなく「消費」もそうでした。近所の小さな食堂よりも、デパートの最上階にあるレストランやファミレスに憧れましたよね。

なぜ大企業に憧れたのでしょうか?
それは、大企業が、私たちが有史以来抱えてきた「物質的欠乏」から解放してくれる存在だったことが考えられます。
万人が求めるモノの大量生産にはスケールメリットが働きますので、必然的に企業規模は巨大化しました。大きな会社は頼れる存在だったのです。

労働者にとっても、大企業で働くことが物質的欠乏から解放される最も有効な方法だったため、大企業のステータスが瀑上がりしていったというわけです。

ところが、物質的欠乏がほぼ完了すると風景が変わります。
社会がモノに満たされたことで経済成長率(GDP伸び率)は鈍化トレンドに入りました。伸び率が鈍化しているにも関わらず、大企業は株主からの圧力により「無限の成長」を要求され、働く人は強いストレスに苛まれています。

生産性を上げるために徹底した分業化は、仕事の悦びを奪っただけでなく、労働者は「いつでも替えが効く」部品のような存在になりました。

冒頭の「変わり者」は、この構図に嫌気が指し離脱したのです。
彼らに、大企業を辞めて移住した理由をと聞くと、多くの方が「”ひとしごと”やってみたくなったから」と答えます。
ある方は、自分で育てたお米を提供するレストランを経営しています。喜ぶお客様を見ると「自分が貢献したという悦びがある」と言います。

こうした働き方に魅力を感じる人が増えていますし、同時に、小さくて個性的な店が今の生活者を魅了しているのを見ると、30年前が時代の幕開けの序章だったと思うのです。

この話は、何も大企業に限った話ではありません。少数派だった「変わり者」の感性は、今やマジョリティに波及しています。
中小企業も、このトレンドに逆らうことはできない…

というか中小企業こそ活躍できる領域なのではないでしょうか。


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