「自分が独裁者になるはずはない」そう思っている社長ほど危ない

中小企業の社長は「お山の大将」に陥りやすいと思います。
権限と権力を履き違えて独裁者になりやすい。
程度の差こそあれ、そういう社長は多いんじゃないかと思います。
しかし、それでは社員さんは思考停止になるし、判断基準が「社長がどう評価するか?」になり、個性を活かした真の力は発揮できません。
 
独裁的になるのをどう防ぐか?
今日はそんなことを考えたいと思います。
 

自分も独裁者になる危険性があることを自覚する

以前に「罵倒観音」という言葉を聞いて、思わず吹き出してしまいました。
馬頭観音じゃないよ「罵倒」だよ。
ある会社の社長のあだ名だそうですが、とにかくパワフルな方だそうです。
超トップダウン、指示100経営…
最近テレビを賑わせている国会議員みたいな人を想像してしまいました…
 
「ちがうだろーーーーーー!」(笑)
 
その方は創業社長だそうですが指示100で会社を大きくしたんだからとても有能な方だと思います。
しかし、会社が大きくなり、もう社長1人の力では立ち行かなくなってきたそうです。
と、分かっていてもなかなか罵倒観音から脱することができず悩んでいるとか。
 
社長の意識変革も大変ですが、その文化で育った社員の意識はなかなか変わりません。
 
「エレファント・シンドローム」という言葉があります。
子象の時から大きな木の杭に繋がれ自由を奪われた象は、大人になって自分の力で杭が抜けるようになっても、それをしないと言います。
 
einbrechen
 
これは世代を超えて起こります。
指示100の先代から引き継いだ後継社長が指示ゼロ経営を目指す時に同じ課題に直面します。それだけ根が深いんだよね。
指示命令を出さないと動かないから、気がつけば指示100になって、さらに自分でも自覚しないうちに独裁者になっていた…そんなケースをいくつも見てきました。
 
中小企業の社長は独裁者になりかねない。
まずは、それを自覚することが大切だと思います。

心の「闇」を自覚することが制御する第一歩

偉そうなことを言っていますが、僕だって、先代の独裁ぶりを反面教師にしたはずなのに、気づけば独裁的になっていた時期がありました。
だから、あの国会議員の声を聞いてドキっとしましたよ。
 
20年も前のことですが、ある社員が新聞代の集金を遅らせたことがありました。
独裁者って実は弱くて、相手に否がある時に元気になるんだよね…
「会社の金が回らなくなったらどうしてくれるの?」
「倒産したら責任取れるの?」
そんな言葉を浴びせた事がありました。
 
ここからがキレイ事を抜きにした本題です。
その時に僕がどう思ったか?
すごくスッキリしたんです。
当時、業績が下がって怯え、ストレスを感じていたから、それを発散してスッキリした。
 
僕が人間的に劣っているのか?
先代の独裁ぶりを見た時に「経営者はああなっちゃいけない」「自分にはそういう部分はない」と思っていました。
でも、やってしまった。
 
人間には「そういう部分」があるのだと思います。
それが出るか出ないか?の違いだけだと考えています。
環境が変われば、心の状態が悪くなれば出てしまう可能性がある…そう思っています。
 
マザーテレサは「自分の中にヒトラーがいる」と言ったそうです。
武田鉄矢さんは「本当の善人は、どこかで悪人の覚悟をしている」と言いました。
それを自覚している人は、それを制御できるのだと思います。
ない人は、自覚していないものをコントロールすることはできませんから無自覚のうちにとり憑かれてしまうのだと思います。
 
立派な人になろうとするなら、まずは自分の心に潜む「闇」を捉え自覚することが大切だと思います。
 
「自分にはそういう部分はない、あんな事を言う人はおかしい」…そう思っている人が一番危ないと思います。
 
経営者は独裁者になりやすい。
孤独やストレスが大きいから、自覚していないと危険だと思います。
 
自由闊達な集団を創るには、まず外部ではなく内面に目を向けることが大切です。
 
それでは今日は自分の闇を観る、素敵な1日をお過ごし下さい!
 

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