2019年は、人が本来的に持っている「マコト」が発動する経営を目指せ

あけましておめでとうございます。
2019年、一発目のブログです。1月18日に、僕の著書「「リーダーが『何もしない』とうまくいく 指示ゼロ経営」が発売されます。
昨年、ちょうど1年くらい前に、F.ラルーの「ティール」が出版されたり、日本経済新聞にもホラクラシーが特集されたりと、自律型組織への関心が高まってきました。

並べてみると厚さに歴然とした差が…(笑)

 

今年は惜しくも2位でしたが、青山学院大学陸上部の原 晋監督がホラクラシー的なチーム運営をされている事が話題になりました。

時代が指示ゼロ的な経営を求めている

18日に発売される本には、僕が17年間、自律型組織をやってきた真実を書いたつもりです。17年前には、まだティールやホラクラシーという言葉はありませんでした。
そんな時代に、僕が実践したのには理由があります。先見性があった…と言いたいところですが、現実はそうではありません。

僕は1995年に祖父が創業した新聞店を、父の他界を機に継ぎました。24歳の時でした。
新聞業界は1997年が発行部数のピークでした。インターネットの登場も重なり、それからずっと苦戦を強いられています。

20代は色んな事業に取り組みましたが、すべて失敗に終わりました。
僕が指示ゼロ経営を目指したのは、「もう自分1人の発想で、今直面している課題を解決できない」と痛感したからです。

指示ゼロ経営は「三人寄れば文殊の知恵」の経営です。意思決定をトップ、マネージャーが独裁的にせずに、チームで、「自分たちで」考えてもらいます。

「何を」「どんな出来栄えで」「どのように」「いつまでに」「誰が」「誰と」「いくらで(予算)」

これまでリーダーが独断で決めていたことを集団の知恵で決めます。
集団の中に、ある分野に長けている人間がいれば、その人に思いっきり任せるという意思決定をしますし、そうでなければ喧々諤々の議論を通じ妥協のない意思決定をします。

現代のように、直面する課題が非常に高度かつ抽象的になっている時代では、リーダーが常に正しい判断ができるとは限りません。(無理です)
現場の隅々にまで口を出すことも不可能です。

だから、指示ゼロ経営、ホラクラシーの必要性は嫌でも高まっていくと思います。

自分軸で生きる、成熟した価値観を持った人が活躍できる会社になる

こうした経営が求められている、もう1つの背景があると考えています。それは働き方、もっと言えば生き方に関する価値観の変化です。
総務省が定期的に行っている「国民生活に関する世論調査」の中に、モノの豊かさと心の豊かさ、どちらを求めるか?という調査があります。

40前はモノの豊かさと答えた人が大型のですが、1985年には拮抗しています。
それ以降、堰を切ったように心の豊かさを選ぶ人が増え続けています。

ところが、心の豊かさとひとことで言っても、形がないものなので、正体が分かりません。
「人よりも良い生活をする」「ブランド品を持つ」…それを豊かさとする時代もありました。
僕が高校生の時(バブル期)にブランドブームが起きましたが、その時の服にはデカデカとブランド名がプリントされているものが人気でした。
今ではダサくて恥ずかしい…笑

そもそもブランド品とは、その品質に価値があるものですが、本質を見失った、見栄の張り合いだったわけです。
とても馬鹿らしいと思います。
だって、比較によって成り立つ価値とは、「みんなが憧れるけど買えないモノを、自分は持っている」ということです。
だから、買えない人が、持っている人に羨望の眼差しを投げれば投げるほど、持っている人の虚栄心が満たされるのだから。

比較により成り立つ豊かさだったわけで、強い自我が根本にあります。
所有するためには24時間戦い、ヒエラルキー競争の勝者になる必要がありました。

その馬鹿馬鹿しさに気付いた人が増えていると感じてます。
成熟した自我に支えられた、比較ではない、自分軸で生きる人たちです。

そういう人たちが増えると働き方も変わります。ライバルよりも出世するとか、モノを所有するために頑張るとか、そういう動機を失うわけです。
ヒエラルキー構造が動機づけになりません。

指示ゼロ経営は例えるなら、Jazzのジャムセッションです。1人1人のプレイヤーは自分の個性を思いっきり発揮して演奏します。指揮者がいませんので合うまでに少々時間がかかりますが、やがて調和して最高のハーモニーを奏でます。

「自分だからできる、でも自分だけではできない」…人間として最高の幸福を感じる世界だと思います。

心の豊かさは、この段階に入ろうとしている(入っている)と感じています。
そして、結果的に、この価値観で働く集団が物質的な成果を上げるのだと。
その理由は、心の豊かさは、それを知っている人でなければ提供できないからです。

指示ゼロ経営本の中でご紹介している、大手生活品メーカに勤務するNさんは、このことを「マコト」と表現しています。

2019年の経営は人間が本来的に持っている「マコト」の発動が鍵を握ると思います。

一緒に、素晴らしい世界を創って行きましょう!

誰も縛らない、誰にも縛られないあなたが大好きです!

 

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