自由闊達な会社を創る経営者が語る2つのこと

人は、頭で理解すれば行動するか?と言えばそうではありません。
脳の仕組み上、行動の原動力は常に「気持ち」「感情」だらね。
感情が弱いのに頭で強引にプラス思考を作ったり責任感で動くと、後になってすごく疲れます。その反動は精神衛生上、あまり良くない。
 
自由で闊達な会社を創る社長は、気持ちに火がつくメッセージを社員に投げかけるのが上手です。
仕組みや制度は整えた、でも今ひとつ集団が活性化しない…そんな時は、感情ベースで見つめ直すことが大切だと考えます。

仕事の先には、誰かの喜びがある…そのイメージを語ること

自由闊達な会社の社長は「人間の話」をしている、僕はそう確信を持っています。
逆に、ちーんとした集団になっている会社は、社長が「仕事の話」しかしていないと。
仕事は人の喜びを創造する営みだから、主は喜び、従は仕事、そんな関係だと考えています。
 
「人間の話」には2種類あります。
1つは、自社のたくらみで「どんな人が、どんな風に喜んでくれているのか?」ということ。
人は関係性の生き物なので最大の関心事は「人間」です。
人に喜ばれることが好きな生き物。
だから、優れた経営者は「喜びの描写」が上手いんだよね。
 
例えば、僕の友人に完全アレルギー対応のパン屋さんを経営する大澤理恵さんという女性がいます。
息子さんに重いアレルギーがあり、息子のために習ったパン作りがいつしか職業になったという方です。
「パン遊舎pono-pono」のHPはこちら!
彼女は自分の思いをこう伝えています。
「お友達はみんなパンやケーキを食べたことがあるのに、それを食べたことのない息子の気持ちを考えると辛かった。でも、私がつくったパンを生まれて初めて口にしたときの、あのサクサクとした食感を味わった時の息子の顔が忘れられないんです。」
 
「だから私はパンづくりを職業にしたんです」
 
人間の話をしていますよね?
 
これが仕事の話オンリーだったらどうでしょうか?
「え〜、我が社は近年の大型店の攻勢により、え〜、非常に苦境に立たされており、よって、より原価を下げるべく、仕入先と工程の見直しを…」
 
つまらないよね?
 
仕事の先には、誰かの喜びがある…そのイメージを語ること、さらに言えば、仕事の意義を社員さんに考えてもらうことが大切だと思うのです。

幸せな人生を送るために仕事をしているという認識を持つ

「人間の話」のもう1つは、働く人の話です。
社員さんのことね。
「働く人がどんな風に充実した生き方をしているか?」です。
 
すべての人は幸せな人生を送るために仕事をしているはずです。
「自分のため」
「いやいや、私は自分のためではなく人に喜ばれるために仕事をしています」…そんな方もいますが、そんな働き方が「自分にとって」幸せだから、結局、自分のためだと思うのです。
これが真理である以上、「仕事を通じ、幸せな人生を送ろう」と語ることが大切だと考えています。
そして、人によって幸せの定義は違うから、色んな価値観を認め独善的にならないことです。
 
僕は飲み会などで、時々「何のために働いているの?」とスタッフに聞くことがあります。
そすうると「お金のため」「趣味の充実」「家族のため」「自分を活かして人のお役に立ちたい」「モテたい」(笑)…本当に様々な動機があるのだと気付きます。
 
それは、どれが良くて悪いというものではありません。
価値観だから社長がジャッジできるものじゃない。
 
でも、やっぱり人間は関係性の生き物だから、人との関わりの中で生まれる幸福感が好きなんだよね。
「お金のため」と答えたスタッフも「そのお金を何に使うと幸せ?」と聞くと家族との団欒だったりします。
趣味のためと答えた社員は、その趣味を仕事で活用してお客様に喜ばれた時に、趣味以上の喜びを感じるみたいです。
 
「仕事を通じ、幸せな人生を送りたいと願っている人が集まったのが会社」
「1人1人の夢や思いを、みんなの力で実現する」
そう捉えた時に、必然的にチームワークが良くなると考えています。
 
社長は、仕事の話の前に、人間に関することを社員さんと語らい合う。
その実現の方法は社長が1人で考える必要はないち思います。
社員さんが、自分が望む生き方がこの会社でできると思えば、社員さんが自発的に動いてくれるからです。

どうでしょうか?
人間の話を語っているでしょうか?
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!