新たなものを創造する時は細かな計画を立てないほうが良い

計画を細かく作らない方が上手くいくことがあります。
それは新しいものを創造する時です。
なぜなら、創造性は右往左往している時に、偶然の出会いや発見から生まれることが多いからです。
計画が「偶然の出会い」を妨げる危険性があるのです。

状況に応じて計画の立て方を変えることが大切です。

新しいものを開発する時には、あまり細かな計画や期限付きの成果を求めない方がいい

偶然の出会いが飛躍的なアイデアを生むというのは研究の分野でよく起こることです。
ノーベル賞をとるケースでよくありますよね?
「実験のミスから偶然に◯◯細胞が発見できた」なんて話が。
新しいものを創造する時って、何が正解か分からないから右往左往しますが、だからこそ偶然に出会うことがあります、

細かな計画を立てると目の前の偶然を逃してしまいます。
特に期限を設定してある場合は、未来に意識が奪われて「今、ここ」に集中できなくなります。

例えば、僕の親戚は一部上場企業(メーカー)で研究開発をしていますが、同じことを言っていました。期限付きで「必ず売れるものを開発しろ」と煽られると、みんな頑張るんだけど面白い製品は開発できなくなると。

開発とは何もメーカーの商品開発だけの話じゃありません。
新しいビジネスモデルやイベントなどの企画だって開発です。

新しいものを開発する時には、あまり細かな計画や期限までの成果を求めることはしない方が良いのです。

例えば、僕は日本経済新聞の青年部の会長をやっていますが、会議で、会員とともに事業アイデアを出す時はできるだけ「カオス状態」を作り出します。
発言したい人が自由に発言できる空間を作った方がアイデアが広がるからです。
出たアイデアをホワイトボードに書きとめて、とにかく広げるだけ広げます。
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会員は、お客様を魅了するアイデアを出すことだけに集中します。
計画はアイデアが出揃って初めて作っています。

「悠長なことをやる」というのは企業の繁栄に必要なこと

こういうと「そんな悠長なことは言っていられない」と言う人もいますが、そもそも悠長なことを言う余裕がない状態にこそ問題があります。

商品にもビジネスモデルにも、すべてのものには寿命があります。
新しいものは、この世に生まれ落ちて徐々に成長していき、やがて成熟して衰退します。
成長期に入る前に失速してしまうものも多いです。

商品で言えば、今現在、会社を支えているメイン商品があるはずですが、それもやがて寿命が来るから、そうなる前に、今から次の成長商品を開発しなきゃいけませんよね。
それを怠ると、気付けば余裕がなくなり焦るため、開発に一番大切な創造性が発揮できなくなります。

今、新聞業界がその状態です。
新聞のビジネスモデルが衰退期に入ると予測されたのが今から20年ほど前ですが、その間、次のビジネスモデルの開発をしなかったため、今非常に厳しい状況になっています。

弊社はちょうど20年前に、先代の死去で僕が継いだので、その切り替えがしやすかったのだと思います。
自分の世代の新聞購読率の低さを目の当たりにしていたから、このままじゃ未来はないと思え、業態転換に早めに着手できたのは運が良かったと思います。
新しいものを開発する心の余裕があった。

「悠長なことをやる」というのは企業の繁栄に必要なことなのです。

安定成長期の末期、バブル時代に、BOØWYが「手遅れになる前に〜 Do it again」って歌っていたのは、もしからしたら財界に向けてのメッセージだったのかもしれませんね(笑)

それでは今週もがんばりましょう!