What型とHow型、あなたはどちらでビジョンを描く?
ビジョンを描くのが苦手というリーダーは多いのですが、そもそも人間は、起きてもいない事を描くのが苦手なものです。
ディズニーランドでは、未来をテーマにした「トゥモローランド」のエリアは最も運営が難しいと言われてます。
対し、人はノスタルジーが大好き。
だから、企業が起死回生を図る時に、過去のヒット商品のリバイバルを手掛けるんですね。
例えば、カルロス・ゴーンが1999年に手掛けた、日産自動車の再建計画「日産リバイバルプラン」では、フェアレディZの復刻版を作りました。
ビジョンデザインを難しくするもう1つの原因は、「ビジョンを描こうとする」その意思にあると考えています。
経営の教科書に「ビジョンが必要」と書かれているからという動機で描くと、魅力あるビジョンは描けないのです。
なぜなら、ビジョンとは、必要性ではなく「願望」で描くものだからです。というよりも、願望がある時には、自然とそれが成就したイメージが湧くんですよね。だから何よりも自分の願望を知ることが大切だと思うのです。
願望には「型」みたいなものがあります。
ビジョンデザインの型には大きく分けて「What主導型」と「How主導型」の2種類があります。
「What主導型」
What主導型ビジョンとは、文字通り「何をするか?」…商売のアイデアから導かれるビジョンです。
起業する人は、ほぼWhat主導型です。何をやるか決まっていないが、とりあえず起業したという人は稀ですからね。
そういう人は自然と、アイデアが開花したビジョンが湧き上がってくるものです。
ちなみに、What主導型には小分類があります。
・技術を極めるクラフトマンタイプ
・世界観を創造するのが得意なタイプ
クラフトマンタイプは、職人気質でとにかく上質なプロダクトをつくることに命を賭けます。
世界観タイプといえば「サンクゼール」の本社がある「サンクゼールの丘」が典型です。
数年前に、友人の紹介で創業者の久世良三さんのお話を聞く機会があり、その時に、久世さんがこんな事をおっしゃっていました。
「当社はワイナリーと誤解をされます。確かにワインの製造はしていますが、それは私が考える世界観の中にワインが必要だからなんです」

世界観づくりに命を賭けている証として、同社には「土木部」なるものがあり、道や庭を自前で作ったり修繕したりしています。普通だったら外注するものを内製化しているところに世界観に対するこだわりを感じるのです。
■「How主導型ビジョン」
How主導型ビジョンとは「どのように仕事をするか?」…働き方や戦略に価値を感じるタイプです。
これにも小分類があります。
・人間性重視タイプ
・仕組みづくりタイプ
人間性重視タイプとは、仕事を通じ個性を発揮したり、仲間との協働で得られる働きがいに価値を置きます。顧客との関係性を重視することも特徴です。
ちなみに、僕がこのタイプです。僕は「長男だから」という理由で新聞店を継ぎましたので「What」に対するこだわりはありませんでした。
だからビジョンを描けと言われて困ったのですが、僕はには譲れない「How主導型」の想いがありました。
「その人だからできることで、人に喜ばれることで人生が開花する」
それが指示ゼロ経営の原点なのです。
仕組みづくりタイプとは、その名の通り、経営の仕組み化に長けているタイプで、話をすると「Theビジネスパーソン」といったクールさを持っています。
このように、ビジョンデザインは多面的な顔を持つものです。
勿論、What型とHow型、両方を併せ持つケースもありますよ。
どんな導き方が適しているかは、本人にしか分かりません。
もし、ビジョンを描くことに苦手意識を持っているならば、少し視野を広げてみてはいかがでしょうか。
自分が何に心を震わせるのか。その感覚に素直になれた時に、未来は自然と輪郭を持ち始めると思いますよ。
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