いいチームは、衝突を避けない。
人の価値観は、人それぞれですので、時にメンバー同士が衝突することがあります。
チームの中で意見がぶつかると、私たちは「関係が悪くなった」と考えがちです。
でも、本当にそうなのか?と思うんですよね。
むしろ、自分と相手の「当たり前」が違うことを知り、よい良い関係をつくる機会だと思うのです。
いいチームとは、衝突が起きないチームではなく、衝突を繰り返す中で、互いを認め合えるようになるチームだと思うのです。
衝突は、その後、チームが強くなるための通過儀礼。
もっと肯定的に捉えても良いんじゃないかと思っています。
そして、衝突が起きるなら、できるだけ早い段階が良いと考えています。
すり合わせの対話は、筋トレと同じで、放置するほど億劫になって、さらにや遠ざけてしまうからです。
衝突を関係性向上に変えるためには「自分の常識≠他人の常識」ということを知ることが欠かせません。
しかし、これが難しい。
何が難しいかって、自分の常識が「色メガネ」であることにすら気づかないから。
例え話ですが、「8+4=12」ということを疑う人はいないですよね。その常識があるから、電卓を叩いて16と出たら、電卓の故障を疑うことができるのです。
「もしかして、8+4=12ではないのかも?」なんて疑っていたら日常生活を営むことは困難です。
しかし、私たちは「8+4=12」という答えを検証してから使っているわけではありません。「そういうもの」として、日常の前提にしています。
このように「そういうもんだ」という常識が誰にもあり、それで他人を測ると、どうしても相手が故障しているようにしか思えないのです。
いわゆる「バカの壁」ですが、壁を少しでも低くするためには、人により優先するものが違うことを知る必要があります。
そのために、僕が参考にしているのは、キャリア開発の大家、エドガー・シャインの「キャリア・アンカー」です。
キャリアアンカーとは、個人がキャリアを選択する上で、最も譲れない価値観のことで、次の8つの傾向に分類されます。
・管理能力タイプ
人や組織を動かし、責任ある立場で成果を上げることにやりがいを感じる。意思決定やリーダーシップを発揮することを重視する。
・専門・職能別能力タイプ
特定の専門分野で知識や技術を磨き、その道のプロとして認められることを重視する。管理職になることより、専門性を深めることに価値を感じる。
・保障・安定タイプ
安定した雇用や収入、予測可能な環境を重視する。大きなリスクを取るより、安心して長く働けることに価値を感じる。
・自律・独立タイプ
自分のやり方やペースで仕事を進めることを重視する。細かな指示や管理を嫌い、自分で意思決定できる環境を好む。
・奉仕・社会貢献タイプ
自分の仕事を通じて、人や社会に貢献することに強い意味を感じる。収入や地位以上に「誰かの役に立っている」という実感を重視する。
・起業家的創造性タイプ
新しい事業や商品、仕組みを生み出し、自分のアイデアを形にすることを好む。ゼロから何かを創造し、成果を生み出すことに魅力を感じる。
・ワーク・ライフ・バランスタイプ
仕事だけでなく、家庭・趣味・地域活動など人生全体の充実を重視する。仕事を人生の中心に置くのではなく、自分らしい生活との調和を求める。
・チャレンジタイプ
困難な課題や競争、未知の問題に挑戦することにやりがいを感じる。「難しいからこそやってみたい」という気持ちが強く、問題解決そのものを楽しむ。
もちろん、人間を8種類に分類できるわけではありません。複数の価値観を持っていますし、状況によって表れ方も変わります。
大切なことは、診断結果を当てはめることではなく、自分にとっての当たり前が、相手にとって同じとは限らないということを知ることです。
そして、心得は「異質なものを、異質なものとして受け入れる」ということだと考えます。
どちらが正しいか、白黒つけることはできません。
相手の価値観を完全に理解することも難しい。
よくあることですが「私とあなたは価値観が違うのね」と突き放してしまうと関係をつくることはできません。
異質だと思いながら受け入れるという、良い意味での曖昧さを持つことが大切ではないでしょうか。
いいチームとは、価値観が揃ったチームではなく、価値観が違う人たちが、その違いを抱えたまま力を合わせられるチームです。
「いい加減」という言葉があります。
それは、いい加減にするのではなく「良い加減」にすること。人間関係にも、そんな加減があるのだと思います。
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