自発性は「つくる」ものではなく「なる」もの

社員に自発的を要求しても、それは報われない望みだと思います。
なぜならば、自発性というのは「つくる」ものではなく「なる」ものだからです。
ある環境に身を置いた時に、気づくと「なっている」
頑張ってつくれるものではないのです。無理すれば、自発的なフリはできますが、そんなものは長続きしません。

「気づくとなっている」といえば、感謝も同じですね。
「感謝しろ」と言われて出来るものじゃない。相手次第でもない。自分次第でもない。相手の自分の絶妙な関係性の中で、勝手に生まれてくる感情です。

では、自発性の発動条件はどんなものでしょうか。

僕はよく、自分が自発的になった経験から発動条件を紐解くワークショップを行いますが、大抵、次のような要件が挙がります。

・自分で決めた「原因目標」がある。
・目標は、頑張れば達成できそうな適度な難易度である。
・自分で決めることができる。
・自分で起こした変化を即座に確認できる。

上の4条件が整った時に「なっている」のです。

この中で気になるのは「原因目標」だと思います。
聞き慣れない言葉だと思いますが、原因目標とは、問題の根本原因を特定し、それを解決するために設定される目標を指します。

例えば、クレームは、しかるべきポイントで、ちゃんと作業をチェックをすることで減らすことができますよね。ならば、どこでどんなチェックを行うか?…それを目標化するということです。

ところが、商いに関しては原因目標の設定がなかなか難しい。
というのも、情報技術の発達により原因目標が大きく分かったからです。

以前は、企業が発信する情報か、友人や家族の口コミしか頼るものがなかったのが、今や、消費者は、自らの購買体験をGoogleやSNSに投稿することができ、みんながそれを参考にします。

さらに、最近ではAIに相談する人も増えていると言います。
AIは、民主的な情報提供を標榜しているので「みんなの評価」を重視します。つまり、真に顧客に支持された企業が選ばれる時代になったということ。顧客に喜ばれることを原因目標に定めなければ、企業は生きていけない時代になったのです。

ちなみに、まだ読んでいないのですが、この書籍が気になっています。

数字ばかり追い求める企業は選ばれなくなったということですが、これは理想的な商いの姿であり、とても良い傾向だと思います。

人は関係性の生き物なので、他者に喜ばれることに快を感じるようにできています。

・顧客に喜ばれるという「原因目標」があり
・それが、ちょっと背伸びをすれば達成できるレベルであり
・その達成に向け、自分で決め行動し
・顧客の反応を確認する。→より喜ばれたという意欲が湧き上がる。

繁栄の好循環モードに入るというわけです。

自発性とは、上司が与えるものでも、本人が無理にひねり出すものでもなく、土に種を蒔けば芽が出るように、適切な環境が整った時に自然と立ち上がるもの。

時代に合った土壌が設定できているか?…今一度、原因目標を見直してみてはいかがでしょうか。
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