組織の一体感はメンバー間の「つながりの形」で決まる。

経営者であれば、誰もが組織に一体感を求めると思います。しかし、一体感とは何なのか?と問われると、意外と説明が難しいものです。
とても感覚的な概念ですが、誰もが部活動などで経験していてその重要性を知っています。

今日の記事では、一体感の正体とつくり方について考察します。

話は少し逸れますが、僕の町は蛍で有名で、ちょうど今「ほたる祭り」が行われています。
20分ほどで一周できる群生地には、多い時で1万匹が乱舞します。1万匹となると、もうウジャウジャ。
蛍は1匹か2匹がふわっと舞うから風情があるもので、多ければ良いってもんじゃないと思うんですよね。
でも、圧巻ですので是非、長野県辰野町にお越しください。

それはさておき、蛍は一体感の天才だと思うのです。
蛍は最初はそれぞれが自分のペースで点滅するのですが、時間が経つにつれ全体がシンクロするのです。
僕は、子どもの頃からそれが不思議でなりませんでした。
そのメカニズムを知ったのは、経営者になってから、一体感のからくりを学んだ時でした。

スティーヴン・ストロガッツという数学者が、蛍の点滅や、コンサートで観客の拍手が指揮者もなしにシンクロする現象を研究しました。
その結果、興味深いメカニズムが発見されたのです。

蛍も人間も、集団全体を把握することなど不可能です。せいぜい自分の周辺の小集団しか見えません。
にも関わらず全体がシンクロするのはなぜか?
実は、決め手は「小集団内の繋がり」と「小集団同士を繋ぐネットワークの存在」にあることをストロガッツは発見しました。

余談ですが、このメカニズムは、情報網が発達する以前から、社会形成の基盤を成していたと言われています。
全国各地には独自の地域コミュニティがありますが、コミュニティを行き来する旅人が様々な情報を運ぶことで社会全体が一体化していったと言います。

人の集団は、管理者がいなくても一体化する力を持っているのです。

組織に一体感をもたらす要件は次の2つです。

1、小集団内のネットワークを「適度に」密にする。
2、小集団をつなぐ旅人をつくる。

小集団のネットワークは密過ぎると村社会になり、かえって自由闊達さが失われます。なので「適度に」ということになります。

小集団とは、企業で言えば「課」にあたるでしょうか。
課内の繋がりを適度につくり、そして各課に、課をまたぐ旅人を2人ほどつくります。
旅人役は時々変えると組織の硬直化を防ぐことができると思います。
「課」の次は、同じ構図を「部」に広げていくのです。

多くの人は、一体感を「みんなが同じ方向を向くこと」と考えますが、実はそうではなく「適切なつながりの中から自然に生まれるシンクロ現象」なのです。
一体感とは、管理の成果ではなく、つながりの賜物と言えるでしょう。

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