石橋は造りながら渡れ。…変化の時代のPDCA

「PdCa」という言葉があるそうです。
佐藤郁哉さんという社会学者が「PDCA」を変形してつくった言葉ですが、これが日本企業の特徴を捉えているということでビジネス系のサイトで紹介されました。

PとCは大文字ですが、dとaは小文字で書かれているのは、要するに、Pan(計画)とCheck(チェック)はしっかりやるが、Do(行動)とAct(改善・対応)は弱いという意味です。
考えてばかりで行動しない様子を揶揄した造語で、変化の激しい時代では「pDcA」が向いていると説いています。
上手いこと言いますよね。

「石橋を叩いて渡る」の諺を使えば、石橋を叩いているだけで一向に前に進まない状態でしょうか。
中には「石橋を叩いていたら橋が壊れてしまった」という企業も…

では、どんな渡り方が良いのでしょうか。
最近、当ブログで何度か紹介している書籍「デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか」(著者、針貝有佳)では、こんな表現をしています。

「石橋を造りながら渡る」

イメージできますでしょうか。
方向性(軸)を定めたら、大まかな計画を立て早く実行するのです。そして結果を検証し計画を修正し再び実行する「pDcA」スタイルです。
そして、pDcAを回す中で上手く行きそうな方法を見つけたら、一気に集中するのです。

例えば、トヨタ自動車です。
同社には「モビリティを社会の可能性に変える」というビジョン(軸)があり、それに基づき、ハイブリッド社、水素自動車、EVなど多様な研究開発をしています。先行き不透明な自動車産業の中で、どう転んでも勝つ王者の戦略と言えるでしょう。

マッキンゼー&カンパニーが2018年に発表したレポートによると、2000年以降に大きく成長した企業の多くは、経営資源を既存の市場から成長市場に大胆に振り替えた企業であり、同じ市場にとどまりながらシェアを増大させた企業はほとんどないと報告されています。

これは大企業に限ったことではなく、外部環境に翻弄されやすい中小企業にこそ適したあり方だと思います。

僕が経営支援で関わった、麹の製造販売を手掛ける「若宮麹屋」では、「麹のあるくらし」という軸を定め、試行錯誤を繰り返した末に、麹づくりワークショップや、築100年の古民家を改装した宿泊業を開発しました。

同社のウェブサイトには次のような言葉があります。

守りながら、変わっていく。心を込めて。

まさに「石橋を造りながら渡る」スタイルですね。

実は、こうした戦略は自然界の理に適っています。
自然界の掟は自然淘汰です。突然変異した個体が、たまたま環境に合っていれば存続できるが、そうでなければ淘汰されます。
そういう意味では、今を生きている我々は、凄まじい幸運の持ち主ということになりますよね。

偶然の産物ではありますが、私たちは、試行回数を増やすことで確率を高め、生存率を上げることができます。

それが、今日紹介した「pDcA」「石橋を造りながら渡る」「マッキンゼーレポート」「麹屋さんの経営」ということではないでしょうか。

「千里の道も一歩から」と言いますが、一歩を踏み出すと見える世界があり、見えた世界が次の行動を教えてくれるのだと思います。
 
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