カリスマ性がないリーダーの5つの選択肢

カリスマ的な創業者の後を継ぐ後継者は本当に大変だと思います。
ことあるごとに、先代と比較されるんですよね。
そんな時に、コンプレックスから先代を否定してしまうことあります。
先代を批判することで自分を持ち上げたくなる気持ちは分からないわけではありませんが、これは組織に分断を生む悪手です。

なぜならば、先代を否定することは、先代と一緒に一時代を作った古参社員をも否定することになるからです。
古参社員は、社員への影響力が強いため、あっという間に抵抗勢力ができてしまうでしょう。

時間をかけて実績を積み、求心力を得るべきですが、そのためには、まずは求心力の正体を明らかにする必要があります。

求心力には5つの要素があることが組織研究で明らかになっています。

まずは①家柄です。
ほとんどの人にとって無関係だと思いますが、世の中には「◯◯家の出」というだけで求心力を持つ人がいます。例えば、トヨタなどは、ここぞというフェーズでは創業家の人間を社長に就けますよね。
もちろん、家柄だけで経営ができるわけではありませんので「その他の要素」を整える必要があります。

「その他の要素」の1つが「②組織が与えた権限」です。
どんな人間でも、肩書を持てば部下を指示命令で動かすことができます。しかし、それでは部下は主体性を失い、いい仕事はしませんので、他の選択肢をとる必要があります。

他の選択肢の1つが「③実力」です。
単純に、人は、実力者の言うことを聞くということですが、それ以外にも求心力の源泉があります。
それは、リーダーが、実力を身につける過程で努力する姿から醸し出されます。
例えば、私たちは、アスリートの鮮やかなプレーにも魅了されますが、それと同じくらい、いや、それ以上に心を動かされるのは、努力する姿や諦めない姿といった「生き方」に触れた時ではないでしょうか。

その姿が、「④人間的魅力」を醸成します。
人間的魅力は非常に多角的です。
「寛容さ」「カリスマ性」「前向き」「ユーモア」など多岐にわたりますが、努力で獲得できる確実な要件は「成長する姿」ではないでしょうか。

そして、人間的魅力がある人が、「⑤パーパス・ビジョン」を語る資格を得ます。
経営の教科書を見ると「パーパスやビジョンが大切」とありますが、パーパス・ビジョンの質もさることながら、それを「誰が伝えるのか?」…語り手の問題が先にきます。

IBMの中興の祖と言われた、ルイス・ガースナーは、社長に就任後、最初にやったことは社員との関係性づくりでしたが、その甲斐があり、その後に打ち立てた再建プランを社員が受け入れてくれました。

このように求心力醸成の5要素は、それぞれが独立して存在するのではなく、3→4→5の順番でつながっているのです。

求心力はつくるものではなく、にじみ出るもの。
先代を越えようと頑張ることは良いことですが、問題の本質は、先代との比較ではなく、自身の成長の過程にこそあると思うのです。
つまり、誰でも求心力を持てる可能性があるということです。
 
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