リーダーは、嫌われて感謝される

社員の主体性を尊重する民主的な経営は民が主人なのだから、主人が未熟では成り立ちません。
ところが、そうと分かっていても、人間は色んな愚かさにはまります。

・知らないことによる愚か
・自分の価値観でしか生きられない愚か
・過ちを認めない愚か

他にもあるでしょうか?
民主的な経営とは、より具体的には「自分たちでPDCAサイクルを回し続ける経営」ということですが、サイクル化する上で最も難しいのが「C」(検証)だと思います。
なぜなら「過ちを認めない愚か」が邪魔をするからです。

人と組織が成長する最も好機は、失敗をした時です。
失敗=仮説の誤りが明らかになったということで、受け入れれば新しい仮説への転換ができます。
『ラグビー流「人材成長」』という名著があるのですが、その中で、成長にとって欠くことのできない三要件が紹介されています。
第1の要件は「負けから学べるチームを創る」です。
失敗は、成長への大きなチャンスであると捉え、その原因を調べ、新たなチャレンジに繋げることが大切だと説いています。
まさにPDCAですね。

ちなみに、2番目の要件は「チーム内に敗者をつくらない」ということです。
失敗した人間=敗者ではなく、リーダーは失敗したメンバーにこそ役割を与え、成長する機会をつくることが大切だと言います。

しかし、なかなか失敗を受け入れられないのが人間というものですよね。
そんな時は、リーダーからの耳の痛いフィードバックが必要になるわけで、それこそがリーダーの本分ではないでしょうか。

フィードバックにはタイミングと順番が大切です。

タイミングに関しては、フィードバックの教科書には「即時」と書かれていますが、僕は、失敗した時に限っては、1日か2日経ち、少し気持ちが落ち着いた時が最適だと考えています。

順番については…

1、成長幅を確認する。
成長には「過去」→「現在」→「未来」のストーリーがあります。
過去から現在までの成長幅を確認すると、それが助走のようになり「次はここまで成長したい」という意欲が自然と生まれます。
逆に、それがないと、未来の理想像と現在とのギャップばかりが目につき、どこまで成長しても「まだまだ足りない」と捉えるようになります。
フィードバックの第一歩は、成長幅を確認することです。
その際に大切なことは、客観的な事実ベースをもとに、詳細にフィードバックすることです。
例:我々は以前と比べ、1人1人が自分の意見を言えるまでに自立した。次に、自立した個人、チームが協働できるようになったら素晴らしいがどうだろう?

2、客観的な事実を確認する。
何を、いつ、誰が、どんな風に行って、どんな結果を招いたのか?…まずは一切の主観を排除し、客観的な事実だけをフィードバックします。そして、フィードバックしたら「こういう事が起きていると認識しているが 間違いない?」と問います。
例:現在行っている、顧客の声をサービス改善に活かすプロジェクトだが、声の収集チームと改善チームとの間で、連絡をしなかったケースが目立ち、結果、5件の情報が活かされないまま埋没した。僕はそう認識しているが、どうだろう?

3、その背景にある根本原因を問う。
例:なぜそんな事が起きてしまったのだろうか?

4、根本原因を問うても答えない場合は、上司がフィードバックする。
背景にある課題には可視化できないものが多いので、断定ではなく「◯◯に見える」という表現が良い。
例:部門間に見えない「壁」があるように私には見えるが、どう思う?

1〜4の流れがスムーズに進むことは稀で、途中で言い訳や謎の反論に遭うことが多いのですが、コンセンサスを得るためには、それらをしっかりと受け止めながら対話をすることが欠かせません。

耳の痛いフィードバックを躊躇するリーダーは多いと思いますが、「リーダーとは嫌われた後に感謝されるもの」と割り切って、逃げずに向き合うことが大切ではないでしょうか。
 
※「記事が面白かった」という方は、是非「読者登録」を!
読者優先セミナーや無料相談など、登録者限定の秘匿情報が届きます。


❚指示ゼロ経営を学びたい方へ

25年間に渡る実践と研究知見を様々な形で公開しています。 これまで、企業や教育機関などで1万人以上が学び実践しています。

どの学び方から始めますか?