時間的な長生きではなく「感じる長生き」を

日本は世界の中でも、ずば抜けて長寿の国だということは周知のことですよね。
長寿は、人間にとって大きな関心事なので、とにかく金になるということで、様々な商品・サービスが開発されてきました。
その甲斐あって、平均寿命は1960年に67.2歳だったのが、2023年には84.6歳と、およそ60年間で17年も伸びました。

とても喜ばしいことですが、一方で、この話をすると暗い顔をする人もいます。
その理由は、年金が頼りにならない時代ですので、長生きした分、長く働かなければならないからです。
Googleの検索に「長生き」と入れると、「長生きしたくない」というサジェストが出てきますしね…

こうした背景には「仕事は苦役」という価値観が透けて見えますが、果たして、働かない生活を送ることは幸せなことなのでしょうか。
まあ、人によりけりだけどは思いますが、実は、働いた方が長生きをするという事実があります。
しかも、それは時間的な長生きではなく、長く生きたという実感…「体感的な長生き」です。

ナンノコッチャ?という感じですよね。

実は、私たちが感じる「時間の長さ」には、生活の密度が影響しています。
時間感覚は脳で作られます。同じ1時間でも、状況次第で長く感じたり短く感じたりしますよね。
それは充実度、さらに詳しくは「出来事の多さ」が関係しているようです。

経験があると思いますが、ある期間に多くの出来事が凝縮すると、あっという間に時間が過ぎますが、後で振り返ってみると、その期間が随分と長く感じることがあります。
その理由は、例えば、通常であれば1年間で起きることが1ヶ月間に凝縮して起きると、脳は、その1ヶ月間を1年間に感じるからです。
体感的には12倍になるというわけ。

これが「体感的な長生き」です。

先月、1週間の長期出張がありました。
1週間のうち、長野→香川→小倉と3回研修をして、その後、ホワイト企業大賞の審査、そして週末は友人たちと合宿を行いました。
普段の僕のスケジュールでは1ヶ月で起きることが1週間で起きたのですが、家に帰って振り返ると、出発した日が1ヶ月ほど前のことに思えるんですよね。

体感で長生きをする…そんな方法もあると思うのです。

体感寿命を長くするためには、何もイベントがたくさん必要というわけではないと思います。
大切なことは「心の動き」だと考えます。
庭に咲いてる花を綺麗と感じたり、家族や仕事仲間に感謝したりすれば、それで生活の密度が高まります。
充実度とは、感性が揺らいだ回数と言えるでしょう。

量的な長生きばかりが論じられていますが、質に目を向けてみると、そこには新しい「幸せな長寿」が拓けると思うのですが、いかがでしょうか。

今年も当ブログをご愛読いただき、本当にありがとうございました。
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