説得よりも納得を。納得よりも「共感」を。リーダー必須の対話術

優れたリーダーは「4つの術」を駆使して人と接しています。
その4つとはすなわち…

1、ロジック
2、道理
3、使命感
4、参画

現代人は「ロジック」は得意なのですが、それ以外は苦手だと言われています。
率直に言えば「頭でっかち」ということですが、これは教育の弊害が大きいと考えます。義務教育で重視される五教科は、知識の詰め込みとロジカル思考を鍛えることに重きが置かれています。
感性や対話力を鍛える教科は「副教科」と言われオマケ扱いを受けていますよね。

リーダーのコミュニケーションがロジックに偏ると、人も組織も育ちません。

1つ、面白い事例があるので紹介しますね。
僕が経営してきた新聞店では、以前「新聞配達員の遅刻」という課題を抱えていました。
時間までに出社しない場合、その都度電話をかけて起こすのですが、困ったことに常習者がいるのです。
そこで現場リーダーが、ちょうどその時に学んでいたコーチングの知識を活かし対策を立てました。

・本人に遅刻をする弊害を考えてもらう。
・同時に遅刻をしないメリットを話し合う。
・遅刻防止の策を考えてもらう。

教書通り、ロジカルですよね。
しかし、これで遅刻は減ったかというと効果はありませんでした。
困り果てた現場リーダーに、僕は、冒頭の「4つの術」を伝えました。そして、もう一度部下と面談をして、リーダーは開口一番こう伝えました。

「◯◯さん、毎日電話されないと起きれないようじゃ新聞配達は務まらないじゃん」

乱暴と思うかもしれませんが、シンプルに「正しいあり方」…つまり「道理」を伝えたということです。

その後、僕が面談をしたのですが、当人に伝えたことは1つだけです。

「◯◯さん、小学生のお子さんがいるでしょ。今度、スタッフの家族をお招きしたBBQ大会をやるんだけど、その時に、遅刻ばかりのカッコ悪い自分でいたら嫌でしょ。がんばろうよ」

これが「使命感」で伝えるということです。

最後に、現場リーダーがもう一度、対話を行いました。
対話は、特に決まった進行をせずに自由に行ったところ、配達員から、昼間の仕事(本業の仕事)で残業が増えて睡眠時間が減っていることや、自分のお子さんのことなど、様々な情報が共有されました。
その上で、もう一度、コーチングスキルを活かし、遅刻防止の対策を立ててもらいました。

人に、物事に参画した分だけ、それを自分事にします。
この日から一切、遅刻をしなくなりました。

このケースでは、4つの術を2→3→4→1の順番で行いましたが、相手と状況に応じて順番を変えることもあります。
いずれにせよ頭でっかちにならないことが大切だと思います。

人は、論理だけでは動きません。道理が肚に落ち、使命感が共鳴し、参画して初めて行動に移ります。ロジックだけに頼らず、相手の心に寄り添いながら4つの術をバランスよく使いこなすことが大切です。

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