やらされ感ゼロ。「トム・ソーヤー」から学ぶ自発性が生まれる職場づくり
モチベーションを喚起する方法は3つあります。
1、脅す
2、報酬で釣る
3、その気をつくる
1は論外としても、私たちは安易に2を選んでしまう傾向があります。
しかし、それが得策ではないことは、数々の研究が明らかにしています。
有名なところでは「ソーマキューブ実験」があります。
ソーマキューブとは、動物や乗り物など、色んな形を作ることができる立体パズルです。
実験では2つのグループを作り、1つのグループには「問題が解けたら報酬を支払う」と伝えました。一方のグループには報酬は提示しません。
実験の終了後に、主催者が「ちょっと用事があって出かけるけど、部屋から出なければ何をしても良いよ」と伝え退室しました。
実は、主催者は、自分がいない間の被験者の行動を観察していたのです。
観察の結果、グループ間に明らかな行動の差異が見られました。
「報酬あり」のグループでは、多くの人が雑誌を読んだり遊んだりしていた。
「報酬なし」のグループでは、その間も熱心にソーマキューブに取り組んでいた。
「報酬あり」のグループは報酬をもらったことで目的が達成した、あるいは報酬がもらえなかった=「おしまい」と考えため解くのをやめてしまったのです。
一方、報酬なしのグループは純粋な興味で取り組んでいるのでいつまでも取り組んだということです。
コストをかけてヤル気を減退させるのだから、経営者は報酬に頼る人事施策を深刻に受け止めなければなりませんね。
他にもこんな実験があります。
純粋に遊んでいる子どもに対し、「遊んで偉いね」と褒め報酬を与えると、動機が「他者から評価され報酬をもらう」にすり替わります。
ある日、突然、報酬をストップすると、遊ぶのをやめてしまうのです。これを心理学では「アンダーマイニング効果」と呼びます。
以上の事実から、リーダーに残された方法は、3の「その気をつくる」ということになりますが、これが難しい。
その気をつくろうとして外部から刺激を与えると2の状態に陥るので、頑張ってなんとかしようとすると逆効果なのです。
どうすれば良いのでしょうか。
そこで参考になる逸話を共有しますね。
「ソーヤー効果」という言葉があります。
ダニエル・ピンクの著書「Drive」に登場する概念で、「トムソーヤの冒険」のエピソードからインスパイアされたヤル気の考察です。
ある日トムは、ポリーおばさんに、ペンキ塗りを命じられました。
これを誰かにやらせようと思ったトムは、笑顔で楽しそうにペンキ塗りをしました。すると、たまたま通りかかった友人が「そんなに楽しいなら、是非、自分にもやらせて欲しい」と懇願します。
しかし、トムはなかなかOKは出しません。
そして、何度か断った後にこう言います。
「君が持っているリンゴをくれるならいいよ」
悪いヤツですね〜笑
もし、トムが「ペンキ塗りを変わってくれたらリンゴをあげる」と言ったらどうなったでしょうか?友人は、瞬時に「これはつまらない仕事だ」と察知し、「2個くれたらOKだよ」と言うかもしれませんね。
これと同じことが企業で起きているのではないでしょうか。
人は“やらされている”うちは動かない。“やりたい”と思えた瞬間から自ら動き出す。その気をつくる環境づくりこそが、これからのマネジメントの本分だと思います。
あなたの組織で「ソーヤー効果」を応用するなら、どんなアイデアがありますでしょうか。
面白いアイデアがあれば、そっと僕に教えて下さい。
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