「なるほど」は成長を止める。成長する人は常にモヤモヤの中にいる。

頭の良い人ほど「なるほど」「理解した」「要するに」という言葉を使いますが、その言葉を使うようになると成長が止まってしまうかもしれません。
それよりも「分からない」「モヤモヤする」「苦しい」と言う人の方が成長する可能性を秘めていると考えます。

今日の記事では「分かる」ということの正体を明らかにし、人の成長について考えます。

僕は、自分の研修において「経験学習」というノウハウを応用しています。
経験学習という言葉は「経験」と「学習」の2つの単語から成り立ちますが、それぞれを次のように定義しています。

経験…想定外の出来事
学習…これまで出来なかったアウトプットができるようになること。

要するに(←言ってしまったw)上手くいかなかった経験から学び成長するということです。
「わかる」というのは「かわる」ということです。自分というシステムが変容しアウトレット(言動)が変わるということ。

だから、僕は「分かった」という人に対し、「それで何が変わりましたか?」と聞くことがあります。

アリストテレスは学びには4つの段階があると説きました。

1、分からないことを知らない。
2、分からないことを知っている。
3、知っていることを知っている。
4、知っていることを知らない。

4の領域は完全に「身についた」状態で、自分がなぜできているかが説明できません。だから、彼らの言っていることはサッパリ分からないのです。
例えば、長嶋茂雄さん。彼はバッティングを「スーッと来た球をガーンと打つ」と指導したと言われています。

話は変わりますが、最も「良い先生」とは1→3の成長の記憶が新しい人です。社内では、その人は上司ではなく、「少し社歴が長い先輩」である可能性が高いということになります。
指示ゼロ経営で、仲間同士の「学び合い」を推奨する理由はここにあるのです。

さらに付け加えると、アドバイスは2の段階に入った人にのみ有効です。
「馬を水辺に連れて行くことはできても水を飲ませることはできない」というイギリスの諺の通り、想定外を経験していない「のどが渇いていない人」には、どんなに美味しい水も無用の長物なのです。

以前に、僕のセミナーに参加した女性が、アンケートに「正直、米澤さんの話は、私には苦痛でした」と書きました。
よくあることなのですが、これは僕にとっては反省材料ではなく、祝福すべきことと考えています。トップダウン組織以外に考えられない、その常識にヒビが入ったということです。
アンケートを読み、数年後、もう一度、彼女に会いたいと思いました。彼女は、僕のセミナーによって、これまでのマネジメントの常識の枠が破壊された=自分というシステムが壊れた=2の段階に入ったということです。
きっと、様々な想定外を通じ、ぐんぐんと成長していくであろうと思ったからです。

「わかった」という言葉の奥には、「これ以上、変わらなくていい」という無意識の停止命令が潜んでいるかもしれません。
学びとは、正解にたどり着くことではなく、自分というシステムが日々更新されていくこと。
更新には痛みが伴いますが。それを受け入れる人が、結果として大きく成長していくのだと思います。
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