求められるのは「待つ力」…先回りしないリーダー自律型人材を育てる

子どもの頃に、親から「宿題はやったの?」「歯は磨いたの?」と、課題を先出しされ腹が立ったことはないでしょうか。
親は子どものことを心配して言うのですが、子どもはそれを、心配ではなく「不信頼」のメッセージとして受け取ります。

「あなたはダメ」と。

このことは上司と部下の関係にも当てはまります。
リーダーは問題意識が高いので、課題がやたらと目に付き、つい口出してしまいます。

ある経営者は、社員に自発的が足りないことに不満を抱えていました。事あるごとに「自分で考えなさい」と言い続けてきて、徐々に自発性が育ってきました。というか、社長がうるさいので自発的に行動するという本末転倒が起きていたのですがね。
しかし、自発的に行動したら、今度は「判断が間違っている」とダメ出しをくらい、社員はすっかりヤル気を失ってしまいました。

次から次へと、リーダーから課題ばかり降ろされたら自律性は発動するはずはありません。

では、何も言わないのが良いのでしょうか。

このことに関して、僕が参考にしている知見を紹介しますね。
米国のリーダーシップ研究機関「ローミンジャー」によると、人が成長する上で最も重要な要件は「想定外の経験」であることが明らかになりました。
自分の意思で決め、行動したが思った通りの結果が得られなかったという体験です。

この知見を活用すれば、リーダーは、部下が「なんだか上手くいかない。おかしいな」と壁にぶつかる「その時」までは、何も言わずに見守ることが大切ということになります。
「そんなことをしたら取り返しがつかないことになる」と言う方がいますが、そんなことはありません。取り返しがつかないことが起きる前に「おかしいな」と気付くからです。

では、その時が来たら何をすれば良いのでしょうか。
ローミンジャーによると、想定外の経験の次に来る成長のレシピは「他者からのアドバイス」と言います。
とは言っても、いきなり「教えてやろうか?」という態度では、相手は心を開いてくれません。
優秀な洋服店の店員さんが、徐々に心の距離を詰めてくるように、丁寧な対話をすることが求められます。

直接的なアドバイスではなく、他社の成功事例や「自分ならこう考える」といった参考材料を紹介しながら距離を縮めていくことが有効だと考えています。

今日の記事をまとめると…

▢部下に先回りして問題を提示しない。
▢想定外の経験が学習意欲を掻き立てる。
▢いきなりアドバイスせずに、参考材料を与え距離を縮めていく。

つくづく、リーダーには「待つ力」が求められると思うのですが、このようなガイドラインがあるとブレーキとアクセルの踏み分けがしやすくなると考えています。
.
※「記事が面白かった」という方は、是非「読者登録」を!読者優先セミナーや無料相談など、登録者限定の秘匿情報が届きます。


※開催1ヶ月前【残席2】指示ゼロ経営マスタープログラム12期

 ――指示ゼロ経営を学べる唯一の公開セミナーです。――

・自発的に共創するチームワークの条件
・短時間で豊かなアイデアを出す会議の進め方
・全員参加のプロジェクトの組み立て方
・自律型組織特有の部下との接し方
・自発的、継続的にPDCAを回すための仕組み

自分たちで課題を見つけ協働で解決する組織の絶対条件を学びます。
↓詳細は下のバナーから。