「与える人」が得をする職場のつくり方

世の中には3種類の人間がいると言われています。

1、ギバー:他人に惜しみなく与えられる人。
2、テイカー:他人に与えるより、常に自分が多く受け取ろうとする人。
3、マッチャー:与えることと受け取ることのバランスを考えて行動する人。

これはアメリカの心理学者、アダム・グラントが著書「GIVE & TAKE 『与える人』こそ成功する時代」の中で説いた概念です。

アダム・グラントは、この中で、短期的に成功するのはテイカーで、長期的にはギバーが成功すると述べています。
その一方、ギバーはテイカーに奪われ大損をする可能性にも触れています。
対策として、テイカーは、目先の利得を奪いに来ますので、それを提示しないことが大切だと言います。
本物のギバーは、すぐには役に立たないが、本当に大事なものを与えるということです。

「義を先にして利を後にする者は栄える」という儒教の教え「先義後利」や、「損して得取れ」といった思想はギバーのすすめと考えることができますね。

この概念は経営にも当てはまると思います。
経営は、目先の利益を追求すると、長期的に損をします。新聞業界は、短期的な利を追求し、乱暴な営業を続けました。その結果、各家庭にインターホンが普及し営業ができなくなりました。

今、元気に経営している新聞店は、先義後利で経営をしてきたところだけです。地域からの信頼が厚いので、新聞が読まれなくなっても、それ以外の商品やサービスを販売することができているのです。

ギブアンドテイクは、人材育成と組織づくりにも応用ができます。
組織内にも3種類のタイプがいます。

・ギバー:他者にヤル気や勇気を与える人。
・テイカー:他者からヤル気やう勇気を奪う人。
・ギバーとテイカーに翻弄される人。

職場の仲間は、あなたを3つのうち、どれと思っているでしょうか。

ミシガン大学のウェイン・ベーカーという学者が、職場におけるタイプを調査した結果、その分布が銀河系にそっくりだったと言います。
太陽のように、エネルギーを振りまく恒星のような存在と、エネルギーを奪い取るブラックホールのような存在が、銀河系と同じ比率で存在するというのですから驚きですね。

当然、リーダーはギバーであるべきですが、先ほど書いたように、ギバーはテイカーに奪われて大損をする危険性もあります。
リーダーが短期的な利得、例えば、金や出世で部下を釣ると、後で組織として大損をする可能性があります。
これは、不正行為で世間を騒がせた企業の内情を見れば明らかですね。

ちなみに、ブラックホールの誕生を調べたら、それも職場に似ていて驚きました。

「太陽の30倍以上の大質量の星が、その一生を終えるときに超新星爆発を起こすと、中心部が自己重力に耐えられず、極限まで収縮してブラックホールになる」

以前に、燦然と輝いていたギバーが、老害化しテイカーに落ちぶれることがあるので、注意が必要ということでしょうか。

燦々と輝く朝日を浴びながらブログを書き、そんなことを思ったのでした。
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