戦略思考を止めて1年間生きてみて思うこと

僕は、この1年、戦略的な思考を止めて生きてきました。
1年前というと、ちょうど新刊「賃金が上がる!指示ゼロ経営」の出版が決まったころです。
普通、出版は事業の戦略上に位置づけます。
出版すれば知名度が上がる、箔がつく…出版記念講演をして集客して、その後、自分のセミナーに誘導する…

僕は、あえてその思考を止めたのです。
別に、止めることを強くお勧めするわけではありませんが、時々、戦略思考を手放してみると新しい気付きがあると思います。

新刊では「成熟社会における繁栄の因果」という概念をお伝えしました。
以前のような、モノが不足している時代では、売り手の論理で商売をすることができました。
「売り込めば売れる」ということです。
それが、今の生活者は、完全にモノに満たされており、「買わない」という選択肢を持つようになりました。

こうなると経営が根本から変わります。数字を追いかけても手に入らないのです。
例えが悪くて申し訳ないのですが、がんがんナンパして彼女ができる時代ではなく、真に魅力的な人間になることが求められる時代になりました。

魅力的な企業には働きがいがあります。
顧客や地域社会の幸せに貢献しているという実感がある。
仲間と協働する中で自分の居場所がある。
仲間に感謝できる。
挑戦する愉しさがある。
人間的に成長できる…

こうした環境が人の創造性を刺激し、素晴らしい商品・サービスを生み、顧客や社会から必要とされることで、さらに豊かな風土が醸成されていきます。
こうした風土が礎となり、業績がよくなり賃金が上がるということを新刊でお伝えしました。

さて、戦略思考を止めたのは、戦略思考が強いと、日々のこうした喜びを感じることができなくなるからです。
戦略は、具体的な成果物を得ることを目的とします。

戦略思考が強いと、得られれば幸せだが、そうでないと不安になったりイライラしたりします。
今、目の前にある働きがいや幸せにも目が行かなくなります。

僕は、この1年間、出版というイベントそのものを心から愉しむことにしたのです。
出版記念イベントは、全国5ヶ所で行っていますが、各地の友人たちと、一生の思い出をつくることを目的に愉しんでいます。

出版から数週間経ったある日、僕をずっと支えてくれた、尊敬する友人がこんな写真を送ってくれました。

なんと、近所の図書館に、僕の書籍を置いてくれるようにお願いしてくれたのです。
写真を見た瞬間に、涙があふれました。

同時に、思ったことは、「もし、僕がビジネス成功のために出版をしていたら、このことを喜べなかっただろう」ということです。

僕の人生に、新しい生き方が芽生えた瞬間でした。

今、僕は、僕を応援してくれる人、必要としてくれる人の期待に応えたいという動機をメインに活動できるようになりました。

出版を通じて、少しだけ人間が成長したのかもしれません。

ビジネスの世界を生き抜くためには戦略思考は欠かせません。
しかし、それに翻弄されずに日々を生きることで拓ける世界があると思っています。

思考を未来から「今」へ。

今日も素敵な1日をお過ごしください。

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