僕に「良い指導者」のあり方を教えてくれたのは、中学時代の色白先生だった

良い先生、良い上司、良い社長…「良い指導者」ってどんな人でしょうか?
もしかしたら、私たちのイメージとは違うタイプなのかもしれません。

今日の記事では、1人の教員をもとに「良い指導者」について考えたいと思います。

僕には忘れられない先生がいます。
中学2年生の途中で、軟式テニス部の顧問に就任した男性教員です。

その先生は、中学2年生の夏休み前に、突然やってきました。
会った瞬間に、僕たちは失望しました。
白魚のような肌と、華奢な身体を見れば、中学生の僕たちにも、その先生が「文化系」であることが分かりました。

先生は、いつも「教本」を片手に僕たちを指導しました。
僕たちは、「本を読んで勝てるなら苦労しないわ」と吐き捨て、先生に頼らず自分たちで練習メニューを考えることにしました。

夏休み中に、先生と僕たちの関係が変わった出来事がありました。
1年生の部員に障がいを持っている子がいて、僕たちは、その子の言動をからかってしまったことがあったのです。

その時…

「やめろ!!」

怒号がコートに響き渡りました。

みんな言葉を失いました。
先生を見ると、真っ赤な顔をして、少し目に涙を浮かべていました。
本当に怖かったし、悪いことをしてしまったと反省して、その子に謝りました。

先生は、何事もなかったように教本を手に指導を再開しました。

ある日の練習中、突然、先生が僕らのプレーを止めて言いました。

「それで良いんか?」

僕らが、キョトンとしていると、先生は教本を手に僕らに近づいてきました。
どうやら僕らのプレーが、教本に書いてあることと違い気になったようでした。
「それで良いんか?」と言ったのは、「それは違う」とたしなめたのではありません。
先生はテニスの素人で、純粋に疑問に思っただけだったのです。

しかし、「良いのか?」と言われれば僕らも気になります。
先生と一緒に教本を読み考えました。
僕らが、その後に習得した「みんなで考えて練習する」という習慣の始まりでした。

僕たちは、先生と一緒に「県大会出場」という目標に向け、教本を読みながら頑張りました。

中体連の最後の試合が終わった時に、先生は、「よくやった!」と僕たちをねぎらってくれました。
手には、ぼろぼろになった教本が握られていました。
就任時の白魚のような肌は、すっかり日焼けして部活動の顧問っぽくなっていました。

先生の指導を受けた人のほとんどが、高校に行ってもテニスを続けました。
これも特筆すべきことだと思います。

僕はこの出来事を30歳を過ぎるまで忘れていました。思い出したキッカケは「良い社長とは?」という課題に直面していたことでした。

当時、先生は僕たちに未来の授業をしてくれたのです。

仲間と一緒に学び合い応え合うという集団活動様式は、これからの時代を生きる上で、最も汎用性が高く、何にも優先して習得すべきことです。

しかし、学校も企業も、まだまだ旧来の発想を引きずっているように思います。

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