成熟社会の今、「いい会社」とはどういう会社なのかを考えてみる

「いい会社」とはどういう会社なのか?…僕は、ここ数年間、色んな企業を見てきて、そんなことを深く考えるようになりました。

「儲かっている会社がいい会社」と言う経営者もいました。
「理念を大切にしている会社」と言う経営者もいました。
「仕事が楽しい会社」という考え方の経営者もいました。

こうした価値観が対立する場面も見てきました。

「儲からなきゃ意味がないだろ」
「いや、楽しければ儲からなくてもいい」
「儲かっても、人が幸せにならなきゃ意味がない」
「幸せのためには儲けが必要だ」

人それぞれの価値観なので、正解はなく、好みの問題と言っても良いと思います。

僕は、様々な企業を取材する中で、上記の価値観を統合した企業に出会いました。
数にして数社ほどです。
それは、美しさと、しなやかな強さを兼ね備えた、ある意味、神秘的な会社なのです。

昨日、僕の新刊が発売されましたが、書籍の中で事例紹介した企業さんが、まさに、その世界を生きています。
(新刊はAmazonで買えます!)

「株式会社ザカモア」「株式会社AKASI」「株式会社Kai・Manu」「名和株式会社」

社員、1人1人にとっての幸せとは?
顧客にとって、自社はどんな存在なのか?
社内の人間関係のあり方とは?
社会の発展に、どんな役割を果たせるか?

こうした問いを持ち続け、社員さんと対話を続けているのです。

儲けの話はほとんど出ません。
ザカモアさんには、明確に「仕事を愉しむ会社になる」という目的があります。
AKASIさんの経営方針所には「お金は、我々の目的の副産物であり、「幸せになる手段」で目的ではない」と明記されています。

では、儲けはどうでも良いのか?と言えば、そうじゃないのです。
これが非常に深いのです。

「理念を実現するためには儲けが必要」という考え方ではありません。
「理念も大切だが、儲けも大切」という考え方でもありません。

これらの会社は、理念の醸成により、働きがい溢れる職場が実現しています。
その結果、良好なチームワークと自律性をもってして、日々の仕事を愉しんでいます。
その結果、素晴らしい創造性が発動し、価値の高い商品やサービスを生み出しています。
社員さんは、お客様から感謝され、心が満たされ、仕事に誇りを持っています。

こうした積み重ねで、顧客や社会との「関係性資本」が醸成され、安定した経営が実現しています。

こうした、数々の良いことは、全ては理念から派生して起きる「現象」なのです。

付加価値の高い経営が実現した結果、賃上げも好調です。
AKASIは昨年度、5万円の昇給をしました。
ザカモアさんは、トヨタ並の賞与を支給しました。

同社の社員さんに取材をした時にこんなことをおっしゃっていました。

「決算書は、自分たちの“あり方”をチェックするための健康診断みたいなものです」
「決算書は、自分たちの存在意義の通知表なので、非常に重要視しています」

利益を自分たちの存在意義の結晶…自分たちが創出した価値を、顧客や社会が認めてくれた「証」であると、哲学的に捉えているのです。

「儲かればいい」でもない。
「楽しければいい」でもない。
「理念のためには儲けが必要」でもない。
「理念も大切だが、儲けも大切」でもない。
「幸せのためには儲けが必要だ。」でもない。

論語とソロバンが見事に統合された世界観を創り出しているのです。

僕は、こうした企業は、超成熟社会が生んだ、ニュータイプの「いい会社」だと考えています。
(実は、日本には、昔から存在しています)

「いい会社」に正解はありませんが、僕が心から「いい会社だなぁ」と思った1つのあり方を紹介しました。

あなたはどんな会社を目指しますか?

ではでは、今日も素敵な1日をお過ごしください。

 

新刊「賃金が上がる!指示ゼロ経営」の発売を記念し、全国5か所で出版記念イベントを行います。 現代社会が抱える様々な課題の根本原因にフォーカスし次世代の経営、教育、社会の未来像に迫ります。

詳細はこちらからご確認ください!