リーダーはスピーカーになるな。「聴診器」になれ。

先日、ラジオを聞いていたら「上司から学んだ大切なこと」というテーマで、リスナーから様々なエピソードが寄せられていました。
その中で、非常に興味深い投稿があったので、今日のブログで紹介し深堀りしたいと思います。

投稿者は、上司になり立ての頃、上長から次のように言われたそうです。

「スピーカーになるな。聴診器になれ」

意味、分かりますよね。
部下を持ったら、ペラペラと自分が喋るのではなく、部下の声に耳を傾けろということです。
しかし、それだけだったら聴診器ではなくマイク(インタビューマイク)をメタファーにした方が適していますよね。
聴診器に例えた意図はなんだろう?と思ったのですが、すぐに次のエピソード紹介に移ってしまい、真意を知ることができませんでした。

そこで僕なりに考えたのですが、おそらく聴診器のメタファーには「相手の内面を聴け」ということと推測しました。

聞くと聴くは違います。
聞くとは、音が鼓膜で振動しているだけ。聴くは相手の心に寄り添っている。僕はそんな解釈をしています。

「何を喋るか?」ではなく「何を聴くか?」…部下の主体性を伸ばしたいなら「聴診器のリーダーシップ」が求められることは間違いありません。

しかしながら、誰もが最初から聴診器になれるのか?といえばそうではありません。実は、そうなるには、その前に必ずスピーカーの段階を経る必要があります。
ちゃんと自分の考えを口にできるようになってからでないと聴診器にはなれないのです。

人の精神的な成長ステージには次の4段階があります。

1、衝動的に動くワガママな子ども
2、大人に従順な子ども
3、自分の意思で動く青年
4、他者に意見を聴き、尊重できる成熟した大人

年齢を重ねると、
ワガママな子ども=5歳くらいまで。
従順な子ども=6歳〜12歳くらいまで。
自分の意思で動く青年=13歳くらいから。
成熟した大人=年齢ではくくれない。

ちなみに、成人の儀「元服」は12歳〜16歳で行われてきましたが、上記の発達理論とおおよそ符合していますね。

ところが現代人は、大人になっても1や2で止まっている人も多く、一概に年齢だけで評価することはできません。

その理由は日本特有の歴史にあります。
日本は明治維新以降、急速に進む工業化に対応するために、戦略的に「基本的な読み書きそろばんができ従順な人材」を育てる教育に力を入れてきました。
そのお蔭で、世界で最も大量生産ができる経済大国になり、私たちは大きな恩恵を受けたわけで、これには感謝しなければなりません。

しかし、同時に、大人になっても自分の考えを言わない人を生みました。

時代が変われば求められる人材も変わるし、教育も変わります。
件の「スピーカーになるな。聴診器になれ」という教訓は、かなり上級者の話であり、現実的にスピーカーを育てるところから始めなければならないと思うのです。

その中から「自分の考えを持ちながら、他者も尊重できる人」…聴診器のような人が生まれるのだと思います。
 

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