「水戸黄門からトムソーヤへ」…リーダーの新しい形
率先垂範をするリーダーは良いリーダーとされていますが、本当にそうでしょうか。
時代が変われば良いリーダーの形も変わる…ということで、今日のブログでは、今の時代に合ったリーダーシップスタイルについて考察したいと思います。
まずは、権力への依存度の話。
日本人は、権力に依存する傾向が強いと言います。
権力に依存する度合いを「権力格差」と言います。格差が大きいほど依存が大きいということです。
権力格差が大きな国や組織では、民(メンバー)は「上の者がしっかりしてくれなければ世界はよくならない」と考えます。同時に、権力者に対し「ある程度は富を独占してもよい」と考える傾向もあります。
したがって、組織構造はピラミッド型のヒエラルキー型になります。
ちなみに、日本の権力格差は、世界の中では比較的に高い位置にあります。
だから、揉め事を印籠1つで収めてくれる水戸黄門が好きだし、率先垂範を美徳とするわけです。
率先垂範にはどんな功罪があるのでしょうか。
率先垂範は、リーダーに続き行動するという性質があるので、単純なタスクを積み重ねる場合は有効です。
逆に、変化が激しく、メンバーが自分で判断する必要に迫られる場面では弊害が際立ちます。
エリック・アシニックという組織心理学者が、過去50年分のエヴェレスト登山隊のデータを集め、登山隊の出身国の権力格差と遭難事故の発生率について調査しました。
その結果、権力格差が大きな国の方が事故の発生率が高いことが分かりました。
自分で考えないとダメということです。
正解がなく変化が激しい時代を迎え、従来の率先垂範が効力を失う一方、新しい率先垂範が台頭しています。
それはどんなものでしょうか。
そもそも従来型の率先垂範は「リーダーがやるなら仕方がない」という、受動的な動機に訴えかけます。
対し、ニュータイプの率先垂範では、部下は「やってみたいからやる」という能動的で積極的ななモチベーションで行動します。
その効果を「ソーヤー効果」と名付けたのは、米国の作家、ダニエル・ピンクです。
ソーヤーとは、トムソーヤのことで「トム・ソーヤの冒険」のある話から命名しています。
ある日、トムは、ポリーおばさんにペンキ塗りというつまらない仕事を命じられました。
これを誰かにやらせようと思ったトムは、笑顔で楽しそうにペンキ塗りをしました。
すると、たまたま通りかかった友人が「そんなに楽しいなら、是非、自分にもやらせて欲しい」と懇願します。
しかし、トムはすぐにOKは出しません。
何度か断った後にこう言います。
「君が持っているリンゴをくれるならいいよ」

見事に、内発的なモチベーションを生み出し、ペンキ塗りという苦役を押し付けたわけです。
もし、トムが「ペンキ塗りを変わってくれたらリンゴをあげる」と言ったらどうなったでしょうか。
友人は、瞬時に「これはつまらない仕事だ」と察知し「2個くれたらOKだよ」なんて言うかもしれません。
あるいは、渋々労働はしますが、トムが見ていないとサボるでしょう。
捉え方って凄いですよね。
お金のための苦役も、捉え方次第で、コストを費やすに値する娯楽になるんですから。
従来の率先垂範は、統制には向いていますが自律には向いていません。
あなたの率先垂範は「仕方なく動く人」を増やすか?それとも「やってみたい人」を増やすか?
どんなスタイルか、チェックしてみてはいかがでしょうか。
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