「社長室が会社をおかしくする」を考察する。

「社長室を作ると会社がおかしくなる」という話がありますね。
僕も、おかしくなった会社を何社か見てきましたが、原因は部屋そのものではなく、コミュニケーションが疎かになることにあります。
単純に、社長が部屋に閉じこもることでコミュニケーションの量が減るということもありますが、今日の記事では、もっと恐ろしい悪影響にも触れたいと思います。

❚ 密室での会話が増えることでチームワークにヒビが入る。

良好なチームワークを維持するためには、メンバーが「同じ空間で」「同じ情報を」「同時に」手にすることが欠かせません。
この3条件が整うと、自然とみんなで話し合いをするようになり、良いアイデアが生まれるしチームワークも良くなります。

これが1つでも欠けるとメンバーや部門間の分断が起きる危険性があります。
僕自身、苦い体験があります。
当社は、およそ20年ほど前に社屋の建て替えをしました。

新社屋の敷地面積は、これまでの5倍ほど。
ゆとりあるレイアウトが可能になり、パーテーションで部門のスペースを区切り、自分たちの仕事に集中できるようにしました。
すると、「こちら側」と「あちら側」の世界ができ、情報の即時共有ができなくなり、部門間の連携がギクシャクしてしまったのです。

社長室も同じで、社長側と社員側という分断が起きる可能性があります。
あるいは、社員が社長で「密談」をすることが増えれば、メンバー間、部門間に疑心暗鬼が生まれ分断が生じる危険性もあります。

❚ 社長が「ロード・レイジ」に罹る。

密室は、人間を傲慢で凶暴にします。
その典型が「あおり運転」です。心理学では「ロード・レイジ」と言いますが、運転中は車という密室に守られ、匿名性が高まることで全能感や攻撃性が増大しやすくなると言います。

以前に、熊本県内の市長が、高速道路を時速152キロであおり運転をして検挙されました。
市長は、調べに対し「後続車に追いかけられてイラっとした」と述べていますが、まさにロード・レイジ反応で、車中という密室で凶暴化した結果、相手の行為を挑発と捉え、反射的に報復に走ってしまったのです。

こんな理由で、社長室は危険だと考えるわけですが、それでも社長専用の部屋が必要な会社もあります。
そんなケースでは、分断やロード・レイジ現象を生まない工夫が必要です。

昨年、ホワイト企業大賞の審査で伺った企業は、社長室がガラス張りになっていました。
また別の企業では、社長室のドアを開けっ放しにしたままにしていました。

社長室そのものが悪いわけではありません。
問題は、その空間が「密室」になっていることです。

同じ空間で、同じ情報を、同時に共有する…この3点に留意し、工夫をしてみてはいかがでしょうか。
 

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