未来の「その日」が実現したかのような、リアリティあふれるビジョンはこう描く

社員が自発的に行動する組織をつくりたければ、「目指す姿」…ビジョンの共有が欠かせません。
共有されていないと、バラバラ好き勝手になってしまいます。

これは、言葉にすると当たり前に聞こえますが、実践は簡単はないんですよね。

ビジョンの共有が難しいのは、無いものをイメージするところにあると思います。
人は、過去には強いが未来は弱いと言われています。
ディズニーランドのアトラクションの中で、最も、集客が難しいのが、未来がテーマの「トゥモローランド」だという話を聞いたことがあります。

一方、ノスタルジーは扱いやすいそうです。
イメージができる上に、人は過去を美化する傾向があるからだそうです。
自動車メーカーが、復活をかけて出すクルマにリバイバルが多いのは、こうした理由からだと言います。

リーダーにもビジョンが鮮明に描けていないことが多いと思います。
だから、「地域に愛される企業になる」なんていう、抽象的な表現が多くなるのだと思います。
これでは社員さんには伝わりません。

僕は、夢新聞(未来新聞)でこの問題を解決してきました。
自社が将来、新聞に載ったと仮定して、その新聞を自分たちで作るワークショップです。
ビジョンが実現した「その日」の様子と、そこに至るまでのプロセスを書きます。
新聞記者が、自社の顧客や、社員にインタビューしたという体で、克明に書くことでイメージの輪郭を際立たせることができます。

結構、時間とエネルギーが要るワークなのです。

もっと簡単な方法があります。
その方法は、僕が知る中でも、ビジョンの共有に成功した企業が、最も多くやっているものです。
それは、憧れの企業のエピソードから導き出す方法です。
自分が、顧客として体験したエピソードでも良いし、経営の教科書に登場する伝説のエピソードでも良いと思います。
心が動くものであればOKだと思います。

友人の経営者が、「ウチもこんな会社にしたい」と熱弁するのを聞いて、部外者である僕の心が熱くなったエピソードを紹介します。
ザッポスの事例です。
同社には、顧客の感動創造のために、「ここまでやるか!?」というエピソードがたくさんあります。

ある顧客がいたずらで「ホテルのルームサービスが終わってしまったがピザが食べたいんだ」と電話したところ、オペレーターは近所のピザ宅配店の電話番号を調べ、顧客に伝えました。

同社の「サービスを通じて感動を届ける」というコア・バリューを体現したエピソードは、他にもあります。

ある年のクリスマス直前に、同社は迅速な配送をアピールするために、すべての顧客を対象に、「12月23日正午までの注文は、クリスマスに間に合います」というキャンペーンを行いました。ところが、受注が殺到し、発想センターはパンク。どうあがいても不可能であることが分かりました。対策会議を行いましたが、有効なアイデアは出ませんでした。混乱する中、CEOのトニーが言いました。「無料にしよう」と。約束の期日までに届かなかった人に、全額を返金したのです。1万件を超える受注だったので、損失は卒倒するような金額ですが、これが同社のコア・バリューから導き出された結論なのです。

世界中には、あなたを「魂レベル」で震えさせる、憧れのエピソードがあると思います。
それは、そのままパクるものではなく、輪郭として参考にするものです。
いわば、塗り絵のようなものだと思います。
輪郭を社員さんと共有したら、色付けをみんなで行う必要があると思います。

こうすることで、解像度の高いビジョンが共有されると思います。

というわけで、今日も素敵な1日をお過ごしください!

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