部下にチームワークを要求することが、チームワークが破壊する原因

組織の中に、積極的にチームの輪に入ってこない人はいませんでしょうか?
例えば、みんなで何かに取り組んでいても、ポツンと1人だけで仕事をしていたり、困っている仲間がいても、支援に入らない人です。

僕のところには、この手の相談が多く来ます。
「組織内に温度差がある」という相談ですが、僕は、この相談に応えることはできません。
なぜならば、温度差がある状態が正常だからです。

集団の中には、「ラガード」と呼ばれる、組織から一定の距離を置く人、輪に入らない人が16%ほどいると言われています。
どうしてラガードが生まれるかは科学的には分かっていないそうですが、一説によると、集団が危機に直面した時のための「余力」として控えているという説があります。

輪に入らないのは、その本人の判断というよりも、集団の無意識的な判断なのだと思います。

僕は、この説は正しいと考えています。
共創とは、集団が、みんなで力を合わせないと解決できない課題を持った時に起こります。
大抵、チームの輪に入ってこない人がいる場合は、その人が輪に入らなくても解決できるような課題に取り組んでいることが多いのです。
でも、それは正常です。
ラガードが加わらなければならないような重大な課題に直面することは稀ですし、常にそんな状態が続いていたら大変です。

だから、輪に入らない人がいることを嘆いてもしょうがないということです。

むしろ、輪に入ることを強要する方が弊害を生みます。
共創を強要するとロクなことになりません。

解決策は、リーダー自身の視点を変えること。
チームワークを求めるのではなく、「全員が自分の役割をまっとうし、チームの目標を達成する」ということを求めるのです。
リーダーが求めることが理解されれば、集団は、その時、その状況で最適なチームワークを作ります。

よりスムーズにチームワークをつくるためには、チームワークに必要な役割を知ることです。
代表的な役割は3つです。

1、イノベーター:全体を牽引する斬新なアイデアを出したり、真っ先に行動を起こす人。
2、フォロワー:イノベーターのアイデアを支持する人たち。フォロワーの数で組織の変容が決まると言っても過言ではありません。
3、縁の下の力持ち:絵に描いた餅(アイデア)を食える餅に変える実務家。

ラガードの位置付けは、「控え選手」みたいなものです。

こうした役割が生まれることを、リーダーだけでなくメンバー全員が知っていることが大切です。
知らないと、みんなで輪に入らない人を非難するようになる危険性があります。
こうなると排他的なカルト集団です。

□共創を強制せずに、全員が自分の役割をまっとうし、チームの目標を達成することを求める。
□集団には3つの役割が生まれることを、メンバー全員が知ること。
□ラガードは必ず現れることを、メンバー全員が知ること。

みんなが叶えたい目標、目的があり、それが、みんなで力を合わせないと叶わなければ、集団は最適な形を自律的につくり出します。

温度差を内包しながら成長していくのが集団です。
集団はとても賢いのです。

ではでは、今日も素敵な1日をお過ごしください!

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