社員が退職する時こそが、組織の未来を創る一大事なり

社員の退職は時に悲しく、時に怒りがあり、時にほっとしたり、様々なドラマがあると思います。

僕は社員の退職は1つの終わりであると同時に、組織の未来を創る重要な一歩だと考えています。
なぜならば周りの社員が退職する仲間の扱いをよ〜く観て、リーダーの本質、組織の体質を理解するからです。

「ああ、リーダーは我々をこう扱うのか」

と確信を持つ瞬間だと思います。

少し違う事例ですが、こんなケースがありました。
ずっと昔のことですが、ある会社では最近話題の「働かないおじさん」問題に直面していました。
これだけ時代が変化する中で、若い人と比べ感性や行動力、柔軟性と言った、一見、仕事ができる要素が弱いように見えてしまうのです。

一部の若い社員から「不公平だ」「社員の入れ替えをすべきじゃないか」「彼らの賃金を減らし活躍する若手に回すべきじゃないか」との声が上がり社長は相当に悩みました。
本当に悩み、体重が落ち顔がやつれ、ストレスからじんま疹が出てしまいました。

当然、社員は心配します。

社長が出した結論は、「窓際に追いやるような会社にしたくない」というものでした。

そして社員は知りました。

「こんなに悩んでまで私たちのことを思ってくれていたんだ」と。

退職の際の扱いではありませんが、この会社の風土が変わっていく大きなキッカケでした。

でも、その会社の社長は若い頃はそうではありませんでした。
その社長は3代目で、継いだ時は先代が採用した社員ばかりでした。
若い社長は当時の社員に期待が持てませんでした。
その理由は、当時、業界が成熟期に入り、これまでと違う仕事が求められていたからです。

それまでは成長期で頭を使うよりも、とにかく行動すれば成果が出たのですが、もうそれが通用しなくなりました。
社長は新時代に対応できる社員ではないと思ったのです。

そんな時、ある社員がプライベートで怪我をしていました。
その社員は社長に言いました。

「回復に時間がかかり迷惑をかけてしまうから、ここで退職しようと思います」

それを聞いた社長は、間髪入れず言いました。

「そうですか。残念ですがそうした方がよいかもしれませんね」

その日から社員との信頼関係が悪化、チームワークも崩壊してしまったのです。

社長はこの経験から多くを学びました。
そして、件の「働かないおじさん」での対応に繋がったのです。

さて、今日の記事は僕自身の経験です。
まだまだ書ききれない恥ずかしい経験も素晴らしい経験もありますが、とにかく社員が辞める時の対応は会社の未来を決める一大事と言って過言ではないと思うのです。

どんな社員でも会社に貢献してくれたはず。
そこにフォーカスして感謝の気持ちで見送ることだと思います。

社員を大切にすると、社員はそんな会社に愛着を持ち、会社を大切にしてくれると思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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