罰を与えても人は育たない、すごくシンプルな理由

信賞必罰の考え方は今の時代には通用しない、僕はそう考えています。
その理由は、これまで数々の心理学者が実証実験を重ね解明してきました。

「人は、他人によるアメとムチの使い分けでコントロールされると創造性と自発性が低下する」

単純作業の積み重ねで済む仕事の場合はそれなりに有効でしたが、今は「おもてなし」のように創造性を要する仕事が増えました。

だから通用しなと考えるのです。

特に「罰」の考え方。
自由と好き勝手の分別もつかない人には罰は必要ですが、成果を出せなかった場合に罰を与えるのはまったくもって有効はありません。
ここで言う罰とは「人事考課でD評価を与える」というものも含みます。

その理由は、罰を受けた段階で人は「精算された」と思うからです。

例えば、こんな事例があります。
ある保育園では定時になっても保護者が迎えに来ないという問題を抱えていました。
そこで、定時を過ぎた場合の罰則金を設けました。

「きっと罰則が嫌で定時に来るだろう」と考えたところ、まったく効果がなかったそうです。
その理由、分かりますでしょうか?

保護者は罰則金を延長料金のように捉えたのです。
「罰則金を払うから遅れてもOK」と。

コロナ禍で飲食店への営業自粛(時短営業)でも同じことが起きています。
お店の中には、「過料(罰金)を払うから営業する」と判断したところがります。

罰には「過去の精算」の作用があり、未来志向ではありません。
大した効果がないどころか、今の時代には害にしかならないのです。

アメとムチによるコントロール以外の、もっと本質的な施策…「内から湧き上がるモチベーションが生まれる施策」が求められるのではないでしょうか?

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