自立した個人が集まれば自律型組織になるという大きな誤解
先日の記事、「自律型組織はリーダーが『つくる』と強い意志を持つと実現しない」が想像以上に好評だったので、続編を書きました。
僕の失敗体験は学びになるのか、安心するのか、ざまあみろと思うのか分かりませんが…今回も僕の失敗体験をお伝えしますね。
任せるだけでは自律型組織にはならない
指示命令をやめて任せれば自律型組織になると思っていました。
なりませんでした(笑)
大混乱です。
ちゃんとした土壌ができていないと、単なる馴れ合いになったり、バラバラ好き勝手になってしまいます。
土壌とは、メンバー(リーダーを含む)同士の感情的なつながり、共感、思いの共有です。
互いの価値観、思い、大切にしていること、もの、仕事で実現したいことなど、互いを深く知ることが大切だと知りました。
共感をもとにした「このメンバーと成し遂げたい」という思いがあるから自由と好き勝手の区別ができ活発な組織になります。
また、「そもそも、なぜ自律型組織なの?」を確認することも欠かせません。
つまり必要性です。
必要性には2種類あります。
まずは、合理的な理由で、時代背景や自社が置かれている状況などです。
もう1つは、リーダーの思いです。
「もう自分1人では会社を成長させられないから力を貸して欲しい」「上下関係なく、みんなで達成をしたい」…◯◯したいと表現される思いを共有することが大切だと思いました。
自立した個が集まっても自律型組織にはならない
例えば、学校で起きるイジメは、1人1人を教育してもなくなりません。
イジメをしている当事者を指導すれば分かってもらえる、しかし集団に戻るとまたやってしまうのです。
集団には魔物が潜んでいる…集団特有の作用があるのです。
イジメをしない1人1人を育てるのではなく、「イジメをしない集団」を目指すことです。
イジメは「傍観せずに止める人間の割合」で消滅するかどうかが決まります。
止める人が一定割合を超えると集団の空気が変わります。
イジメの当事者ではなく、周りの人間が鍵を握っているのです。
職場も同じです。
自立した個々が集まっても、チームワークにより自律的に成長する組織になるとは限りません。
自分たちで課題を見つけ、知恵を出し合い、役割を決めて行動する…そんなチームワークを形成する動きが一定割合を超えると素晴らしい自律型組織になります。
こうした集団の作用を、みんなで学び共有することが一番の解決策だと考えています。
リーダー1人の力でなんとかするのは、そもそも自律型なあり方ではない。
情報をみんなで共有して、全体の空気が出来上がるために、どうすればよいかをみんなで考えること、そしてリーダーはほんの少しのサポートをすることです。
僕は、これが分かるまですごく時間がかかりましたが、分かってからはハイスピードでチームが変わりました。
さて、9月16日に「実践の物語から学ぶ自律型組織の実務」というセミナーを東京で行います。
僕と、一般社団法人YORUMORI 代表の、河村 智行さんのダブル講師で具体的な実務に触れます。